外国人ヘルパーの最低賃金9月29日(土)から引き上げ
更新日:2018年10月02日
香港の外国人ヘルパーの最低賃金が2.5%上昇し、月給4,410香港ドルから4,520香港ドルへと引き上げられました。また、ヘルパーに支給する食事代も2.1%上昇し、1,053香港ドルから1,075香港ドルに増額となります。
今回の新料金は、9月29日(土)以降に締結された雇用契約において適用されます。また、9月28日(金)以前にヘルパー契約をした場合でも、10月26日(金)までにイミグレーションに雇用申請をしなければ新料金が適用となりますのでご注意ください。
香港政府は今回の賃上げに対して「昨年までの経済や労働市場の状況、将来の経済見通し、雇用者側の利益とヘルパー側の利益を総合的に考慮して決定した」と述べており、ヘルパーを雇用している雇用主団体は「許容範囲の増額である。」と意見を述べました。
一方、ヘルパー労働者団体の代表は、5,500香港ドル以上の賃上げを要求していたこともあり、「奴隷レベルの賃上げである。」と不快感を示し、「外国人ヘルパーの5人に2人が高齢者介護に追われており、十分な睡眠や休暇が取れていない。一部のヘルパーは事実上24時間体制で働いている。」と説明し、「政府は、高齢者介護対策を更に講じるべきだ。」と主張しました。
香港の労働党副議長の張超雄(Fernando Cheung Chiu-hun)氏も、「外国人ヘルパーに、高齢者介護を無責任な方法で負わせている。」と指摘しています。
香港は日本と同様に高齢化問題を抱えていますが、ヘルパーの賃金上昇が続くことによりヘルパー雇用が困難となることが危惧されています。今後香港政府はこの問題に対してどう向き合っていくか難しい判断を迫られています。