全日制と半日制の幼稚園、園児の能力に差は見られない

更新日:2018年08月02日
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幼稚園

香港大学の教育学研究チームが、全日制の幼稚園と半日制の幼稚園に通う子供の5種類の能力(言語、認知、身体、社会性、感情)を調査し、能力の成長には特に差はないという研究結果を発表しました。また両親に対する調査では、約7割が全日制の幼稚園の方が優れていると考えていると答えたようです。

今回の香港大学の研究では、全日制と半日制の両方のカリキュラムを提供している15の幼稚園から無作為に選ばれた346名(全日制186名、半日制160名)の幼稚園児を対象に調査がおこなわれました。2015年から2017年の2年間の教育効果を元に比較調査された結果、5種類の能力の成長には差が見られなかったようです。

一方、子供たちの両親300名程を対象とした「全日制と半日制の幼稚園、どちらが子供の能力発達に良いと考えるか?」というアンケートでは、約7割が「全日制の方が良い」と回答し、その理由として約9割が「全日制はセルフケア能力(自己管理)の発達に有利だろう」と回答し、約8割が「全日制は社会性および感情の発達に有利だろう」、と回答をおこないました。

また、幼稚園教諭を対象におこなった同様のアンケートでは、「共働きの家庭にとって全日制の幼稚園は重要だ」という回答が多く、香港大学の研究チームも「香港には共働きの家庭が多く全日制幼稚園の需要が高い。全日制に行かせたくても行かせられない家庭のために政府からの援助を増やすことが望ましいだろう。」と結論づけています。