香港人の賃金は10年間ほぼ上昇なし?

更新日:2016年11月01日
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賃金

香港統計局のデータによると、2004年から2015年の間で香港の労働者の平均賃金は45.7%上昇しているが、物価の上昇を加味すると実質賃金は0.5%しか上昇していないことになることがわかりました。2003年にSARS流行の影響で香港経済が悪化して以来、実質賃金はほぼ変わっておらず香港人の生活は改善していないとして、香港の労働組合が問題を提起しています。

さらに、主要4大産業(製造、貿易・小売、運輸、金融)に関しては、物価の上昇を加味した実質賃金は2004年から2015年の間で1.4~9.4%下がりました。これら主要産業の労働者数は香港労働人口の42.8%にも及ぶため、政府による対策が必要ではないかと労働組合は訴えています。

また、香港の政策シンクタンク「思匯政策研究所」が昨日発表した、住宅、教育、医療、政府等を対象とした香港人の「幸福度」の調査では、香港人の70%が「香港は住む場所として悪化している」と回答し、42%は「チャンスがあれば香港から脱出したい」と回答しているという結果となりました。

香港での生活環境をよく思っていない香港人は多いようで、「海外に移住するチャンスがあったとしても香港に住みたい」と答えている香港人は22%でした。ある調査では香港の生活費は世界一となりましたが、生活の質や賃金の改善がこの先必要のようです。