原油高騰で香港に影響 航空・輸送・ガソリンに波及

更新日:2026年03月12日
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飛行機代

中東情勢の悪化により世界の原油価格が高騰しており、香港でもガソリン価格や航空機の燃油サーチャージなどに大きな影響が出ています。消費者および輸送業界への影響をまとめます。

・香港航空の状況
香港航空は、3月12日以降に発券するチケットから燃油サーチャージを最大約35%引き上げます。最も大きな引き上げとなるのはモルディブ・バングラデシュ・ネパール路線で、284香港ドルから384香港ドルへと35.2%の値上げとなります。日本・韓国・タイ・シンガポールなどの東アジア・東南アジア路線は162香港ドルから212香港ドルへと30.8%の値上げ。北米・欧州・アフリカ・中東などの長距離路線は589香港ドルから739香港ドルへと25.5%の値上げとなります。

・キャセイパシフィック航空の状況
キャセイパシフィック航空のロナルド・ラムCEOも、昨日の記者会見で「3月の平均燃料価格は、1〜2月と比べて2倍以上に上昇している。通常の運航を確保するためには燃油サーチャージの引き上げが必要であり、近く発表する予定だ」と述べました。また同社は、3月31日までドバイおよびリヤド発着のすべてのフライト(旅客便・貨物便)を運休すると発表しています。需要の変化に対応するため、ロンドン線には臨時便を追加し、チューリッヒ路線も増便するなど、欧州路線を中心に供給を調整しています。

・香港の輸送業界
香港の輸送業界への影響も深刻です。落馬洲中港貨運聯會(貨物運送協会)の会長によると、軽油の調達価格は過去2週間で1リットルあたり約4.9香港ドルから約10.6香港ドルへと、2倍以上に跳ね上がりました。軽トラックでは1日あたりの燃料費が200〜300香港ドル増加し、大型トラックでは1日500〜600香港ドルの増加となっています。

・香港ミニバスオーナー&ドライバー協会
香港ミニバスオーナー&ドライバー協会(香港公共小巴車主司機協進總會)の会長は、「燃料費の高騰によりミニバスのドライバーは月に2,000香港ドル以上を失っている。彼らの月収は1万香港ドル強しかなく影響は非常に大きい。しかし運賃を値上げすれば、地下鉄MTRなど他の交通手段との競争がさらに激しくなり、乗客が離れてしまう可能性がある」と話しています。

香港では自家用車に限り、広東省へ越境して給油することが認められています。そのため「中国本土で給油すると、価格が香港の約3分の1」と話題になっています。消費者委員会の調査によると、3月11日時点の香港のハイオクガソリンの店頭価格は1リットルあたり32.89香港ドル(約668円)、軽油は30.87香港ドル(約627円)。2月末以降、燃料税を除いた小売価格は30〜50%上昇しています。香港との境界付近の中国のガソリンスタンドでは長い行列が発生しているようです。

一方、商用車が越境して給油することは禁止されています。しかし、燃料タンクを改造して中国本土の安いガソリンを大量に持ち込み、香港で違法に販売しようとするトラックの摘発が相次いでいます。香港税関は、このような車両に対する取り締まりを強化したと発表しています。