星島頭條が香港10大ニュース2025を発表

更新日:2025年12月29日
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今年の十大ニュース

香港メディア「星島頭條(シンタオ)」は、2025年の香港を振り返り、街の発展を映す出来事から安全を揺るがす重大事件まで、この一年を代表するニュースを選んだ「香港10大ニュース」を発表しました。星島頭條が選んだ2025年の香港10大ニュースを日本語で要約してお伝えします。

1.啟徳体育園の正式開幕
2025年3月1日、香港最大規模のスポーツ・エンターテインメント施設「啟徳体育園(Kai Tak Sports Park)」が正式に開幕しました。5万人収容のメインスタジアムをはじめ、1万人規模のアリーナや多目的スポーツ施設を備え、国際大会や大型イベントの開催拠点として注目されています。7人制ラグビー大会「Hong Kong Sevens」や、韓国の人気ガールズグループBLACKPINKのコンサートなど、世界的イベントの開催地となりました。

2.小売・飲食業の閉店ラッシュ
2025年は、飲食店や小売店の閉店・撤退が相次ぎました。家賃の高騰や人手不足、消費行動の変化などが背景にあり、老舗ベーカリーチェーン「大班麵包西餅」、香港初のお粥チェーン「海皇粥店」、フードデリバリー大手「Deliveroo」の撤退は大きな話題となりました。映画館の閉鎖が続いた点も特徴的でした。

3.中国海軍艦艇の香港寄港
2025年夏、中国海軍の艦艇が香港に寄港し、市民や観光客向けに一般公開されました。空母「山東」やミサイル駆逐艦「延安」「湛江」が展示され、国防教育に関する展示も行われたことで、安全保障への関心が高まりました。

4.大雨・大型台風の相次ぐ到来
7月末から8月中旬にかけて、最高レベルの大雨警報「黒雨(ブラックレイン)」が5回発令され、年間発令回数の記録を更新しました。各地で浸水や交通混乱、土砂崩れが発生しました。さらに9月には台風16号「Tapah」で台風警報シグナル8が、超大型台風18号「Ragasa」接近時には最高レベルの台風警報シグナル10が発令され、深刻な被害が出ました。

5.政府庁舎の飲料水調達問題
2025年8月、政府庁舎で使用されていたウォーターサーバー用の水が、表示と異なる中国本土産の偽ブランドであったことが判明しました。大規模なブランド偽装問題として、公務員の健康管理や調達体制の透明性が問われました。

6.熱気球フェスティバルでの運営トラブル
9月、香港初の熱気球フェスティバル「HABFest」がセントラル・ハーバーフロントで開催されましたが、安全上の懸念から熱気球搭乗体験が政府の指示で中止されました。事前にチケットを購入していた市民から不満の声が相次ぎました。

7.第15回全国運動会で香港が健闘
11月に広東省・香港・マカオが共同開催した第15回中華人民共和国全国運動会で、香港は602名の選手を派遣し、28競技に出場。金9個、銀2個、銅8個の計19個のメダルを獲得し、過去最高の成績を収めました。自転車競技の李思穎選手は金メダル3個を獲得する活躍を見せました。

8.大埔・宏福苑での大規模火災
11月26日、大埔の高層住宅「宏福苑」で大規模火災が発生し、少なくとも161人が死亡しました。31階建てのマンション群7棟に延焼し、火災レベルは最も深刻な「レベル5」に指定されました。改修工事で使用されていた発泡スチロールが延焼を拡大させた可能性が指摘され、関係企業から逮捕者が出るなど、建築安全と工事管理を巡る議論が広がりました。

9.第8回立法会選挙の実施
12月7日、香港立法会選挙が行われました。投票者数は約131万人で、前回選挙より約3万3,000人減少しました。

10.公立病院の医療費値上げ
香港の公立病院は、2026年1月1日から医療費を改定すると発表しました。香港ID保有者の救急外来診察料は180香港ドルから400香港ドルに引き上げられますが、重篤患者は免除対象となります。香港ID非保有者は2,100香港ドルに引き上げられます。

まとめ
2025年の香港は、大型インフラの整備や国際イベントの開催が進む一方で、自然災害や大規模火災など、公共安全や行政対応の在り方が強く問われる一年となりました。