香港で10億円強奪 日本企業関連事件の現在
香港の上環(ションワン)にある永樂街で18日(木)、仮想通貨やブランド品を扱う日本企業に勤務する中国人従業員2人が、刃物を持った3人組の男に襲われ、日本円の現金およそ10億円が入ったスーツケース4個を奪われました。香港警察は、事件に関与したとみられる男女15人を逮捕しましたが、奪われた現金は依然として発見されておらず、捜査が続いています。
なぜ約10億円もの現金が運ばれていたのかについては、現時点では明らかにされていません。一部の報道では「日本企業から香港に来た売上を、馴染みの両替商で仮想通貨や香港ドルに換金していた」「被害者は両替所の従業員だった」などとも言われていますが、公式発表はされていません。
被害に遭った2人は、18日午前9時ごろ、現金約10億円を4個のスーツケースに入れ、両替所へ向かっていました。上環の永樂街で車から降りたところを犯人らに待ち伏せされており、スーツケースを奪われたということです。犯人らは大型の刃物を所持していましたが、被害者にけがはありませんでした。犯行は約30秒という短時間で行われ、警察は、事前の下見から実行、逃走に至るまで、役割分担がなされた計画的な犯行だったとみています。
警察は事件発生後4日間にわたり捜査を行い、20歳から69歳までの香港在住の男女15人を強盗共謀の疑いで逮捕しました。首謀者をはじめ、強盗犯、見張り役、強盗に使用した車両の提供者などが含まれます。捜査では、香港各地に設置されている政府のCCTV(監視カメラ)が大きな手がかりになったとしています。逮捕者の多くは無職で、数人は改修作業員とみられ、また一部については、暴力団組織である三合會との関係があると警察はみています。
警察は、奪われた現金の行方のほか、犯人らがなぜ大金の存在を把握していたのか、被害者や両替所の関係者との間に何らかのつながりがあったのかなどについて捜査を進めています。今後、さらなる関係者が逮捕される可能性もあるとしています。
