大埔火災、死者156人に 選挙は予定通り実施
更新日:2025年12月03日
11月26日に香港・大埔(タイポー)で発生した大規模火災で、死亡者数は昨日時点で156人に上り、遺体のうち127人は身元確認ができており、約30人が行方不明であると香港警察が発表しました。死亡者のうち10人は住み込み外国人ヘルパーとなっています。政府は対応に追われていますが、香港の立法会(議会)選挙は予定通り12月7日(日)に投開票を実施します。
◯10人の外国人ヘルパーが死亡
火災現場のマンション群では、94人のフィリピン人、141人のインドネシア人の住み込み外国人ヘルパー(家事手伝い)が働いており、そのうち10人が火災で亡くなったことがわかりました。香港政府は両国の総領事館を通じて補償金(1人約80万香港ドル)を支給します。
亡くなったフィリピン人ヘルパーMary ann Estebanさんのフィリピンに住む10歳の息子は、現地メディアに対し「消防士になりたい。もう火事で亡くなる人がいなくなることを願います」と将来の夢を語ったことが報じられています。
◯火災の原因と責任追及について
火災は、高層マンション群の改修工事で使用されていた防護ネットから発生し、窓ガラスを保護するために取り付けられていた可燃性の高い発泡スチロールに引火したことで延焼が拡大したと報じられています。また、香港の汚職捜査機関である廉政公署(ICAC)の調査では、安全基準を満たしたネットと満たしていないネットが混在していた可能性も指摘されています。
香港政府の李家超(ジョン・リー)行政長官は、「徹底的な捜査を行い、責任者を明確に責任追及するとともに、監督制度の不備を改善し、あらゆる抜け穴を塞ぐ。責任者全員が責任を負うよう行動する」と述べました。
