大埔で大規模火災、44人死亡、279人行方不明
昨日(11月26日)午後3時頃、香港・大埔(タイポー)で大規模火災が発生し、少なくとも44人が死亡、279人以上が行方不明となっています。現在も安否確認や捜索・救出活動が続けられています。火災は「宏福苑(Wang Fuk Court)」という、8棟構成・31階建ての高層マンション群で発生し、改修工事中の竹の足場部分から一気に燃え広がり、7棟に延焼しました。消防当局は最も深刻な「レベル5」の火災に指定しています。
発生当日は、消防士767人、消防車128台、救急車57台、さらに約400人の警察官が出動しました。救助活動中の消防士1名が殉職したことも確認されています。
医療機関では、9つの公立病院が救急部門を連携させ、「重大事故対策本部」を設置して受け入れ体制を強化しています。また、大埔区では複数のコミュニティセンターや学校などが仮設避難所として開放され、避難者への支援が進められています。
火災の影響で周辺道路の一部が一時閉鎖され、これらの区間を通る約40のバス路線に迂回や運休などの影響が出ました。
地域の支援として、香港赤十字社が避難所で毛布や飲料水を配布し、住民ボランティアが衣類や食料を持ち寄って避難者を支援しています。また、大埔にあるマクドナルド3店舗で、被災者に無料の食事と飲み物を提供しています。
教育局は、大埔の少なくとも6つの学校を本日休校とする措置を取りました。
調査当局はすでに火災原因と責任の追及を開始しており、香港警察は、改修工事に使用されていた発泡スチロールなどが火災安全基準に違反していた疑いがあるとして、改修を担当していた工事会社の責任者3名を過失致死の容疑で逮捕しました。この改修工事は総額3億3,000万香港ドルをかけ、1年以上続けられていたものです。
