香港での日本関連イベントが相次ぎ中止
香港政府が在香港日本総領事館との公的な交流を停止し始めていることが、共同通信の取材で分かりました。背景には、高市早苗首相の台湾有事に関する国会答弁に対し中国が対抗姿勢を強めていることがあり、香港もそれに追随した形とみられています。この動きにより、日本と香港の交流が冷え込む可能性が懸念されています。
さらに、同じく共同通信が報じたところによると、香港政府の投資推進局(インベスト香港)が18日に香港大会堂で開催予定だった「日系企業交流 レセプション 2025」について、香港側が日本総領事館関係者の欠席を求め、双方が協議した結果、イベント自体が急遽延期となったようです。また、香港政府で経済政策を担当する高官と三浦潤・駐香港総領事の12月上旬の面会についても、香港側からキャンセルの連絡が入ったとされています。
日本の音楽業界にも影響が及んでいます。人気ミュージシャン「ゆず」は、12月に予定していた香港・上海・台北でのアジアツアー「YUZU ASIA TOUR 2025 GET BACK」を全公演中止すると公式サイトで発表しました。中止理由は「やむを得ない諸事情」とされていますが、TBSの報道では「日中関係の悪化が影響したとみられる」と伝えています。
文化面でも影響が見られます。香港の公共放送「RTHK」で16日に放送が始まったばかりの日本アニメ「はたらく細胞!!」が、第2話の放送予定日であった23日は別番組へ差し替えられ、初回放送の再生リンクも削除されました。RTHKは「番組内容は随時見直す」としか説明していませんが、日本テレビは「中国が反発を強めていることが影響したとみられる」と報じています。
また、12月7〜13日に日本で開催予定の高校生の日本派遣交流プログラム「21世紀東アジア青少年大交流計画」についても、香港教育局が香港の教師・生徒代表団の派遣中止を発表しました。教育局は「関係者の安全を最優先に考えた慎重な判断」と説明しています。
ただし、香港社会全体が反日に傾いているわけではないとも言われています。今回の一連の動きは政府レベルの政治対応であり、市民レベルの反応とは必ずしも一致しないと考えられます。
