訪日観光に尽力、EGL創業者の袁文英氏が逝去

香港での日本旅行ツアーの最大手旅行会社「EGL Tours(東瀛遊)」の創業者で会長の袁文英(ユン・マンイン)さんが8月31日、73歳で亡くなったと発表がありました。袁文英さんは訪日観光客の増加に寄与した功績で日本政府から「旭日双光章」を受賞しており、40以上の日本の自治体(県や市)で観光大使を務めるなど、香港と日本の友好親善に貢献した人物として知られています。8年間、癌を患っており、急性合併症による逝去とされています。
袁文英さんは1951年香港で生まれ、1970年代からツアーガイドとして日本へのツアーを率いており、旅行業界での豊富な知識と経験を活かし、1987年にEGL Tours(東瀛遊)をわずか4人で創業しました。日本への留学経験で流暢な日本語を操り、気さくな人柄で「袁さん(えんさん)」の愛称でも親しまれています。阪神淡路大震災や東日本大震災時には、訪日旅行客が減少する中で、赤字覚悟で送客を早期に再開し、被災地や観光関連業界の復興に尽力しました。2011年の東日本大震災後は、沖縄からのツアーを再開し「旅行中に震度6以上の地震が起きたら全額返金」という独自の保証制度を導入するなども注目されました。
EGL Tours(東瀛遊)は2014年には香港証券取引所に上場するまで成長。日本へのパッケージ旅行市場でトップクラスの送客数を誇る旅行会社となっており、日本の他にも韓国、台湾、シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナム、インドネシア、ヨーロッパ、オーストラリア、ドバイ、モロッコ、ギリシャ、そして中国本土への旅行を取り扱っています。
今後は、袁文英さんの娘(37歳)が同社の最高経営責任者(CEO)を務めることが決定しています。袁文英さんの娘は2010年に英国ノッティンガム大学を卒業し、2011年にグループに入社し執行取締役に就任しています。
EGL Tours(東瀛遊)ホームページ
https://www.egltours.com/website/tour