失業率3.7%に悪化、輸入労働者の審査を厳格化

香港政府の統計局が2025年5月~7月の失業率を3.7%と発表しました。前回(4月~6月)の3.5%から0.2%悪化しており、失業者数は前回の13万6,200人から約8,800人増えて14万5,000人となっています。一方、新卒者の就職が多かったことも影響し、総就業者数は約1万4,000人増加して367万1,300人となりました。
業界別にみると、特に建設業、飲食業、小売業、不動産業で失業率の悪化が目立ち、一方で清掃、建築改装/修繕/メンテナンス、社会福祉などの分野では改善がみられました。
失業率の悪化に関連し、労工及福利局の孫玉菡局長は、輸入労働者受け入れ政策を厳しくし、地元労働者の雇用を守る方針を発表しています。香港では輸入労働者受け入れのための「補充労工優化計劃(ESLS)」という制度があり、レストランの料理人(コック)やウェイター/ウェイトレスなど、多くのスキルが不要とされる職種の労働者を外国から受け入れることが可能です。9月からは飲食業の職種で申請する雇用主に対し、香港での4週間の求人活動に加えて、労工処(労働局)の就業センターでの求人面接が義務付けられます。地元の求職者はその場で面接を受けることができ、適任であれば採用され、適任者がいなかった場合のみ輸入労働者の受け入れ申請をすることができます。
補充労工優化計劃(ESLS)において、香港政府が公表している2023年9月~2025年1月の承認者数をみると、飲食関連の職種では1位がウェイター/ウェイトレス(8,159人)、2位がジュニアコック(初級料理人、5,443人)、3位が皿洗い(376人)となっています。その他の業界では、セールスアシスタント(3,434人)、倉庫管理者(1,948人)、食品加工作業員(1,355人)、事務職(978人)、受付(918人)、ドライバー(530人)、デリバリー(290人)、レジ(216人)、電話オペレーター(150人)、ヘアスタイリスト(88人)などが承認されています。