7月の日本大地震の噂、香港で旅行先変更の動き

香港内で「今年7月に日本で大地震が発生する」という噂が広まっており、日本旅行をキャンセルまたは延期し、別の地域を選ぶ動きが一部で見られています。この背景には、日本の政府機関の地震・津波専門家による地震リスクの警告や、2025年7月5日に大地震が起こるという噂の拡散があるようです。
この噂の発端は、日本の漫画家・たつき諒さんの著書にあるとされています。彼女が1999年に出版した『私が見た未来』の表紙には「大災害は2011年3月」と書かれており、12年後の2011年3月に東日本大震災が発生したことで大注目が集まりました。その後、2021年に出版された『私が見た未来 完全版』には、「本当の大災難は2025年7月にやってくる」と表紙に記されており、香港でも大きな話題となっているようです。さらに、香港の風水師が「日本・韓国の地震リスクが6~8月に高まる」と予言し、旅行者の間で関心を呼んでいます。
こうした影響を受け、香港の大手旅行会社「縱橫遊WWPKG」の代表である袁振寧氏は、香港メディア星島頭條の取材に対し、「確かに地震の噂で日本ツアーの問い合わせが減少している。一方で、15,000~20,000香港ドル(約29万~39万円)のドバイやトルコなどの長距離ツアーの人気が上昇している。日本旅行の需要が減れば価格を引き下げるか、広告を強化することを検討する。ただし、全員が怖がっているわけではなく、報道が落ち着けば再び日本ツアーの予約は回復するだろう」と語りました。
また、旅行会社「金怡假期」の代表である陳曉楠氏も、「当社は日本ツアーが主力ではないものの、日本旅行を避ける人のために、新たにオーストラリア・ニュージーランド・ドバイの6日間・8日間ツアーを開設した。ツアー料金も日本ツアーと同程度の約20,000香港ドル(約39万円)に設定し、日本行きを迷っている顧客をターゲットにしている」と述べました。
一方で、旅遊促進会の総幹事である崔定邦氏は、「7月に日本で大地震が起こると言われているため、早めに日本へ行こうと考える人も増えている。例年5月から6月はオフシーズンだが、今年はツアーの予約が殺到している。私自身は予言をあまり信じていない。結局のところ、日本は依然として人気の旅行先であり続けるでしょう」と話しました。
星島頭條が旅行代理店でツアー申し込みをする市民に取材したところ、「家族で話し合った結果、2025年7月から8月の日本旅行は取りやめた。新聞で地震の話が大きく報じられているし、皆がそう言っているので念のため避けることにした。代わりにヨーロッパ旅行を選んだ」、「もともと2025年3月に日本旅行を計画していたが、地震の噂とインフルエンザの流行を考慮し、予定を変更してベトナムのフーコック島に行くことにした。リスクが高い時期は避けたいと考えている」といった声が聞かれました。
その一方で、「日本はもともと地震が多い国であり、予測は確実なものではない。もし7月の地震予知が公的に発表されたら考えるが、風水師の予言などは特に気にしていない」「香港人は日本が大好きなので、たとえリスクがあっても旅行を続ける人は多い」といった意見もあり、日本旅行を決行する人も依然として多いようです。今後、報道が落ち着けば再び日本ツアーの人気が回復する可能性が高いと見られています。なお、2024年の訪日香港人は268万人を超え、過去最高を記録しました。