上海ガニ9月に入荷、価格や品質の予想

香港では例年10月と11月が上海ガニのベストシーズンとなり9月頃から入荷が始まります。今年は、中国国内での度重なる暴風雨により上海ガニ養殖への影響が懸念されていましたが、香港の各メディアは今年も香港へ9月中旬から下旬（中秋節前後）には入荷が始まると予想しています。業界関係者による価格や品質の予想とともにお伝えします。

上海ガニの価格について、上海ガニの老舗「老三陽」の責任者は「経済が低迷しているので、価格は去年と同じくらいになるだろう」と話しています。香港メディア星島網は「3〜4両（114g～151g）では1杯あたり30香港ドル程度、7〜8両（265g～302g）では300香港ドル以上だろう。毎年売れ行きの良い価格帯は50香港ドル〜60香港ドルだ」と述べています。また、香港餐務管理協会（飲食業の協会）の楊位醒会長は「香港の飲食業界はコロナ回復後もリベンジ消費の恩恵を受けておらず、夜の売上は未だにコロナ前の70％に過ぎない。上海ガニに対する消費意欲はそれほど高くないとみられる。今年の上海ガニの価格は昨年と同様と予想され、業界としては値上げはできない」と話しました。

上海ガニの品質に関しては、上海ガニの老舗「老三陽」の責任者は「今年は中国各地で暴風雨があったが、幸い蘇州一帯の養殖場には影響がなかった。加えて最近は天気も良く、更に中国は上海ガニの品質をきっちり管理しているため、今年香港へ輸出される蟹の品質については自信がある。ただしカニが最後の脱皮を終えてからでないと最終的な評価はできない」と話しました。

また、上海ガニの産地は従来は中国江蘇の陽澄湖（ようちょうこ）が有名でしたが、近年は陽澄湖の水質汚染により江蘇の太湖または洪澤湖から香港へ出荷されています。上海ガニの小売を専門とするOcean Three社の責任者である何智聰氏は「香港はオランダと日本の北海道からも上海ガニを輸入しているが、これらは栄養価が低くかにみそに風味がない。一方、中国の方は管理体制も良く上海ガニの品質が高い」とコメントをしています。

なお、メスの上海ガニを食べるなら沢山の卵がある10月、オスの上海ガニを食べるならねっとりとした白子のある11月がベストシーズンとなると言われています。カニの選定ポイントは目の付近を触った時にしっかりと反応すること、腹の部分が白くて固く、詰まったもの、爪部分は金色で、毛がしっかり生えている物が良いとのこと。代表的な調理方法は蒸すことです。