香港のタクシーライセンスの価格が50%下落
香港内の投資対象としても注目を集めている香港のタクシーライセンスの価格が2015年から50%近く下落しています。コロナが明けてから半年が経過しましたが依然として下落が続いています。
香港タクシー取引所のウェブサイトの最新データによると、2023年8月2日時点で赤色タクシー(香港島と九龍エリアの都市部を走るタクシー)のライセンス価格は375万香港ドル(約6,800万円)となっており、2015年から2016年の間に記録した最高価格723万香港ドル(約1億3,000万円)の約50%近くまで下落しています。緑色タクシー(新界エリアを走るタクシー)のライセンス価格は311万香港ドル(約5,600万円)となっており赤色タクシーと同様に過去最高価格の591万香港ドル(1億600万円)から約50%近くまで下落しています。
投資商品としても注目を集めている香港のタクシーライセンスとは、タクシー車体や運営権利などの一式を投資会社より購入し、タクシードライバーに貸し出して毎月の2万香港ドル程度の固定収入を得る仕組みであり、購入したタクシーライセンスは投資会社を通じて売却することもできます。香港政府により数量制限・調整がおこなわれていることも人気の理由となっており、不動産投資と比較しても弁護士費用や印紙税がかからず、低コストで6%程度の利回りで運用することが可能です。
2015年にリリースされたタクシーを呼べる配車サービスUber(ウーバー)が出現し、新型コロナの流行により下落が続いていた香港のタクシーライセンスは、2023年1月に下げ止まりすると予想されていましたが、香港でも大きな影響を受けている世界的な金利上昇やタクシー保険料の高騰などの要因が重なり下落が止まりません。
その他にも、香港のタクシー業界は、運転手の高齢化やドライバーの所得が増えていないなどの問題を抱えています。タクシー業界関係者は香港政府に対し、外国人労働者をタクシードライバーとする仕組みづくりやプライベートドライバー(私家車)の規制や法改正、タクシー料金の値上げなどの解決支援を求めています。