香港でビルの壁などが落下する事故が相次ぐ
更新日:2023年07月21日
香港内で老朽化したビルの壁やコンクリートが道路に落下して、歩行者に直撃するという事故が相次いでいます。香港政府により検査や修繕作業が指示されているビルは4,800か所ありますが、2,700か所のビルは作業期限が過ぎているのに対応されていないようです。香港政府の発展局は老朽化したビルの検査や修繕作業を急ぐことを伝えています。
最近の事故では台風警報シグナル8が発令された7月17日に、大埔(タイポー)のマンションから剥がれ落ちた壁が70歳女性の頭に落下し救急搬送されました。7月19日には西湾河(サイワンホー)でビルからコンクリートが落下し27歳男性が負傷しました。これ以外にも女人街などの有名観光スポットがある旺角(モンコック)では、今月3回のコンクリート落下が報告されており、トラックの運転手に直撃して負傷するという事故もありました。
香港の建築条例(第123章)の規定では、築30年以上の建物(3階建て以下の住居建物を除く)の所有者は、法定通知が送られてきた際、所定の検査および修繕作業を実施するために登録検査官(RI)を任命する必要があると定められており、対応を怠った場合は50,000香港ドルの罰金および1年の禁固刑となる可能性があるとされています。違反が続くと1日5,000香港ドルずつの罰金が追加されます。
香港政府の発展局は、検査や修繕作業が必要なビルが新型コロナの影響で作業が遅れていることは理解していると述べています。