2023/24年度の香港財政予算案が発表
香港政府が2023/24年度の香港財政予算案を発表しました。2022/23年度の財政収支は、新型コロナウイルス対策の制限令や巨額の助成金支給により1,398億香港ドルの赤字となる見込みで、当初の予想していた560億香港ドルの赤字を大きく上回りました。
今回の香港財政予算案の中で市民から注目されているのは電子消費券の配布です。その他にも話題となっている内容と合わせてお知らせします。香港にかかわる日本人の方にとって有益となるような情報を選択してお伝えいたします。
■電子消費券5,000香港ドルの配布
香港永久居民と18歳以上の新規到着者(new arrival)を対象として5,000香港ドルの電子消費券を2回に分けて配布します。まず4月に3,000香港ドル分を配布します。また、永久居民以外の香港居住者にも2,500香港ドル分を配布する予定であり、詳細は後日発表されます。
■個人支援についての項目
・2022/23年度の給与税及び個人所得税が100%減免(上限6,000香港ドル)
・2023/24年度の第1四半期および第2四半期について、居住用不動産の固定資産税を減免(四半期あたり上限1,000香港ドル)
・2023/24年度に生まれた子供の児童手当を12万香港ドルから13万香港ドルに増額
■企業支援についての項目
・2022/23年度の法人税を100%減免(上限6,000香港ドル)
・2023/24年度の第1四半期および第2四半期について、非居住用不動産の固定資産税を減免(各物件につき四半期あたり上限1,000香港ドル)
・2023年7月から6ヶ月間、政府施設のテナントに50%の賃貸料または手数料を免除
■公共交通機関運賃補助制度
2023年10月までの6ヶ月間、公共交通機関運賃補助制度を延長し、200香港ドルを超える月間公共交通機関費用の3分の1に相当する補助金を通勤者に提供する。月額最大500香港ドルとする。
■電気代1,000香港ドルの補助
住宅の電気代として1戸あたり1,000香港ドルの補助金を与えます。また、現在おこなわれている1戸あたり月額50香港ドルの電気代割引は、2025年末まで延長されます。約290万世帯が恩恵を受けます。
■香港内での国際イベントに1億香港ドル
大型イベントにより国際的なイメージアップを図るため1億香港ドルを割り当てる予定。
また、香港政府観光局(HKTB)では2億5,000万香港ドル以上を費やし、香港ポップカルチャーフェスティバルや香港ワイン&ダインフェスティバル、香港国際ドラゴンボートレース、香港サイクロソン、香港セブンズ、アートバーゼル香港などをおこなう。
■訪問者や観光客を誘致するための計画
中国本土および世界中からのビジネス訪問者や観光客をすばやく誘致するため、香港政府は2023年2月初旬から「ハロー香港(Hello Hong Kong)」キャンペーンを実施しており、香港の新しい「経済見通し、文化構想、旅行体験」の紹介や促進をおこなっています。香港との無料航空券50万枚の提供も発表しています。
■香港グルメやアミューズメントを充実
グルメ体験、アミューズメント、エキサイティングな雰囲気に関連する活動に焦点を当てた「ハッピー香港(Happy Hong Kong)」キャンペーンがまもなく開始します。
主要テーマの1つは「グルメマーケットプレイス」。市民や観光客が香港グルメを楽しめるように、今後数ヶ月の間で大規模なフードフェアを開催します。詳細は後日発表するとのこと。
その他、夏には観光地ビクトリアハーバーにて大規模なシーランドカーニバルが開催。世界各国のパフォーマンスグループによるダンス、音楽、ストリートパフォーマンスやライトショーが開催。さらに、ハッピー香港キャンペーンの支援のために、西九龍文化区局、香港ディズニーランド、海洋公園、サイバーポート、サイエンスパーク、ジョッキークラブなどでもフェアやカーニバル、またはその他の活動が開催されます。
■政府のアプリを強化し利便性を高める
香港政府のサービスが受けられるアプリ「智方便(iAM Smart)」の運用を強化するために約2億香港ドルを割り当て、さらに便利なワンストップデジタルサービスを提供しユーザーエクスペリエンスを向上させます。
香港財政予算案の全ては、香港政府のオフィシャルサイトよりご確認いただけます。