コロナ規制緩和後の香港経済の見通し
本日はコロナ規制緩和後の香港経済の見通しに関連するニュースとして、香港政府が輸出見通しの悪化を理由に2022年GDP予測を引き下げたこと、香港総商会が人材流出に対処するため海外との往来再開すべきと述べていること、入境制限緩和を受けキャセイパシフィック航空が最大7,000人の求人募集をおこなうことをお伝えします。
■輸出見通し悪化で2022年GDP予測引き下げ
香港政府は2022年のGDP予測を「2~3.5%」から「1~2%」に引き下げました。厳しいコロナ対策の影響により2022年の第1四半期(1~3月)のGDPは前年同期比から4%減少し、5四半期ぶりのマイナス成長となりました。
香港政府は声明で「世界経済の見通しの悪化が続き香港の輸出を圧迫する可能性がある。香港内の経済活動は、コロナ流行が落ち着き制限が徐々に緩和されていることである程度の回復をみせるだろう」と述べています。
元財経事務及庫務局局長の陳家強は「インフレの影響で世界中の中央銀行が利上げしなければならず香港にも間違いなく影響があるが、香港は非常に強力な経済基盤がある。我々は香港がいかに回復力があるかを見てきた」と前向きな発言もしています。
■人材流出に対処するため海外往来を再開すべき
香港総商会が「香港は1990年代初頭以来の規模でエンジニア、会計士、IT人材などのプロフェッショナル人材の流出に直面している」との調査結果を発表しました。香港総商会のピーター・ウォン会長は「できるだけ早く海外との往来を再開すべきだ。様々な分野で人材流出している。再開は早ければ早いほどよい。中国本土との往来再開もできるだけ早くすべきだ。ジョン・リー行政長官にも話をした」と記者に向けて話しました。
■キャセイパシフィックが最大7,000人の求人
海外から香港への入境制限が緩和されていることを受け、キャセイパシフィック航空は6月から最大7,000人の求人募集をおこなうことを発表しました。フライトアテンダントの求人は少なくとも3,000人となるようです。元従業員の再雇用も積極的に検討しているとのこと。
< 香港の新型コロナウイルスの状況 >
香港の新型コロナウイルス新規陽性者数は、水曜280人(入境時・隔離中の発見32人、香港市中感染248人)、木曜294人(入境時・隔離中の発見40人、香港市中感染254人)、金曜298人(入境時・隔離中の発見21人、香港市中感染277人)、土曜284人(入境時・隔離中の発見33人、香港市中感染251人)、日曜259人(入境時・隔離中の発見33人、香港市中感染226人)、感染者合計は331,613人(陽性者合計1,208,506人)、死者合計は9,361人、入院者数は722人となっています。
ワクチン接種者合計は1回目接種が6,668,930人(91.6%)(シノバック2,919,268人、ビオンテック3,749,662人)、うち2回目接種が6,253,254人(85.9%)(シノバック2,670,241人、ビオンテック3,583,013人)、3回目接種が3,447,409人(50.9%)(シノバック1,114,246人、ビオンテック2,333,163人)、4回目接種が83,940人(シノバック37,570人、ビオンテック46,370人)となっています。