3月から香港全市民のPCR検査を開始
本日は、3月から香港全市民のPCR検査が開始されること、全ての学校が3月初めから4月18日まで休みとなること、現在の新型コロナ対策制限令が4月20日まで延長となること、3月に1日の感染者数が182,923人となるとの予想を香港大学の研究チームが発表したことをお伝えします。
■3月から香港全市民のPCR検査を開始
3月から香港の全市民(約740万人)のPCR検査を開始することをキャリーラム行政長官が発表しました。香港内に検査場が数百ヶ所設置され、検査日は香港IDカードに書かれている誕生日で決定されます。検査回数は1人3回、5~7日に1回の間隔で実施され、検査を受けなければ起訴されるため注意が必要です。陽性者となれば隔離施設への移動となり、隔離施設数が不足すると公共住宅やホテルなどを利用するとも発表されています。1人の予約につき子供2人またはお年寄り1人を同伴できるとのこと。さらなる詳細については政府発表後お伝えします。
今回のPCR検査は、中国からの支援を受けて1日100万回の検査能力を確保し、3月中に検査を完了するとのこと。PCR検査の以外にも、抗原検査キットと高性能マスクKN95が配布され、抗原検査を毎日おこなうよう要求されるようです。
なお、キャリーラム行政長官は合わせて「全市民検査において香港全体のロックダウンは実施しない。外出禁止することはない。また、ワクチン接種率は3月初めまでに90%を目標としている。お年寄りと子供は4月までに90%を目標とする」とコメントをしました。
■香港の学校、3月から4月下旬まで休み
香港内の全ての「幼稚園、小学校、中学・高校、インターナショナルスクール」について、夏休みを前倒しして3月初めから4月18日(イースター連休最終日)まで授業を停止することが発表されました。学校施設は3月から始まる香港全市民のPCR検査の検査場となります。なお、大学は授業停止の対象外となっています。
※2月28日、教育局局長の楊潤雄が「3月7日から3月17日までに夏休みの開始するように」と伝えました。インターナショナルスクールは夏休みを前倒しせずに、通常のカリキュラムのままオンライン授業を継続できるとも伝えました。(2022年2月28日追記)
■コロナ対策制限が4月20日まで延長
現在実施されている新型コロナ対策制限令が4月20日まで延長となることが決まりました。詳細は後日発表となっており、レストラン内での18時から翌朝5時までの店内飲食禁止、バーなどの指定施設の営業停止などに加えて、新たに制限強化が発表されるようです。
キャリーラム行政長官は「現在のコロナ対策制限を4月20日まで延長する。いくつかの規則はさらに厳しくなり、昼食時に飲食店は1テーブルにつき2人までとし、野外活動でのマスク着用免除を廃止する」と話しました。
■3月に1日183,000人が感染すると予想
香港大学医学部長のガブリエル・レオンの研究チームは「香港全体のロックダウンを実施しなければ625,000人以上が感染し、濃厚接触者190万人の隔離が必要となる。3月初旬から中旬に1日の感染者数が182,923人、有症状者数は70,798人、入院者数は2,893人となる。3月末までに1日の死亡者数は約100人となり、5月半ばには累計死亡者数が3,206人となる。5月半ばになると1日の感染者数は400人に減る。モデリング研究の結果、現在のコロナ対策の有効性は71%である」との研究結果を発表し、香港内で話題となっています。
これに対して、研究に参加していない呼吸器系の専門家の梁子超は「モデリング研究結果は不確実なので過度に心配しなくてよい。さらに厳しい制限がおこなわれるのでパンデミックは制御できるかもしれない。しかし、1日の感染者数が10万人を超えることはあり得る」と話しました。
< 香港の新型コロナウイルスの状況 >
香港の新型コロナウイルス新規陽性者数は、昨日6,211人(入境時・隔離中の発見3人、香港市中感染6,208人)、感染者合計は28,700人(陽性者合計66,574人)、死者合計は336人、入院者数は3,977人となっています。
ワクチン接種者合計は1回目接種が5,958,361人(86.8%)(シノバック2,470,118人、ビオンテック3,488,243人)、うち2回目接種が5,131,780人(76.2%)(シノバック1,974,303人、ビオンテック3,157,477人)、3回目接種が1,521,190人(シノバック574,972人、ビオンテック964,218人)となっています。