ピンクイルカの生存確認がわずか37頭に

更新日:2021年09月02日
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イルカ

漁農自然護理署の2020/21年の統計で、香港の海に生息する絶滅危惧種のピンクイルカ(中華白海豚)がわずか37頭しか確認されなかったことが分かりました。1997年には200頭以上のピンクイルカの生存が確認されていましたが、専門家らは近年の開発や汚染によって絶滅の危機にさらされていると分析しています。香港ではピンクイルカがマスコットとなっていたり、観光客向けのピンクイルカの見学ツアーなども人気です。

野生のピンクイルカは主にランタオ島付近で確認されていましたが、ランタオ島周辺の埋立地の建設や船舶交通量の増加がピンクイルカの減少に関係しているとの指摘があります。最近では2018年に香港・珠海・マカオを結ぶ「港珠澳大橋」が開通するなどランタオ島周辺の開発がさらに進んでおりピンクイルカの生存についての懸念が高まっています。2018/19年の統計では過去最低の32頭の確認となり、2019/20年はわずかに回復し52頭の確認となっていました。2020/21年には再び37頭と減少しました。

また、香港イルカ保育学会の調査チームは、「昨年はピンクイルカの赤ちゃんは3頭しか確認されていない。これまでの最低記録は2016年と2017年の1頭。赤ちゃんが生まれないと数が増えることはないだろう。赤ちゃんの生存率と死亡率は同じくらいであり、赤ちゃん2頭につき1頭が授乳期間に死亡する。香港の汚染が原因で生存率がさらに悪化している」と話しています。ピンクイルカが出産できるのは3年に1度であり、子育てには3年かかるそうです。なお、生まれたばかりのピンクイルカは灰色で、成長するにつれてピンク色に変化します。

香港メディアThe Standardは、2019年にピンクイルカの数が増加したのは、新型コロナウイルスの影響で香港とマカオや中国都市を結ぶフェリーの数が激減したことが理由だと考えられていると報じています。

< 香港の新型コロナウイルスの状況 >
香港の新型コロナウイルス新規感染者数は昨日1人(域内感染者0人)、感染者合計は12,114人、死者合計は212人となっています。ワクチン接種者合計は1回目接種が4,162,074人(対象者約680万人中61.2%)(シノバック1,527,780人、ビオンテック2,634,294人)、うち2回目接種が3,475,566人(シノバック1,298,869人、ビオンテック2,176,697人)となっています。