香港政府、観光業界への助成金の継続は難しい
香港政府は観光業界に26億香港ドル(約370億円)の助成金を支給してきましたが、香港政府の労工及福利局局長の羅致光がラジオ番組で、観光業界に助成金を毎年継続的に支給するのは難しいため転職に悩む人材を支援するほうが現実的だろうと述べました。
羅致光は他にも「多くの開発途上国では深刻な状況が続いており、この状況は2023年か2024年まで続くだろう。香港の雇用状況はここ数ヶ月で改善しつつあるが、業界によっては失業率が深刻であり、特に観光関連の業界が深刻だ」と話しています。
この発言に対して、旅行代理店オーナー協会のフレディ・イップ会長は「観光業界の人材を他の業界に流出しないようにお金をかけるべきだ。観光業界の人材教育には数年かかるため手放してしまうと長期的に大きな損失となる。新型コロナウイルスの感染拡大が終わり元に戻った時にどうやって人材を戻すのかに疑問が残る。香港政府からのさらなる援助がなければ、より多くの旅行代理店が閉鎖となるだろう」と反論しています。
英国のエコノミストの調査部門であるエコノミスト・インテリジェンス・ユニットでは、2021年の初めに「現在の推定では、貧しい国では集団免疫の獲得は早くても2024年となる。英国、アメリカ、イスラエル、EUなどでは2021年後半までに人口のほとんどがワクチン接種でき、他の先進国では2022年半ばまでに人口のほとんどがワクチン接種を完了しているだろう。中所得国では2022年後半または2023年初めにワクチン接種が完了できるだろう。しかし、世界の84か国を占める貧しい国では、集団免疫の獲得は2024年となるだろう」と分析しています。
< 香港の新型コロナウイルスの状況 >
香港の新型コロナウイルス新規感染者数は一昨日1人(域内感染者0人)、昨日3人(域内感染者0人)、感染者合計は11,956人、死者合計は212人となっています。ワクチン接種者合計は1回目接種が約2,698,500人(人口の約36.0%)(シノバック 1,109,800人、ビオンテック1,588,700人)、うち2回目接種が約1,876,800人(シノバック775,300人、ビオンテック1,101,600人)となっています。昨日確認された新規感染者(海外からの帰国者)3人のうち2人はワクチン2回接種したにも関わらず感染したことが報じられています。香港でビオンテックワクチンを3月と4月に接種した53歳男性と、モスクワでロシア製スプートニクVワクチンを3月と4月に接種した42歳女性です。