日本で風疹患者が急増。香港政府は渡航を控えるよう呼び掛け

更新日:2018年10月24日
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日本で風疹患者が急増

香港衛生署は、6週間前から日本国内で914件の風疹(三日はしか)感染が報告されていることを受けて、抗体のない者、特に妊婦および1歳未満の子供は日本への渡航を控えるようにと注意を呼び掛けています。香港では多数のメディアが大きく取り上げていますが、日本ではほとんど報道されていないようです。

2018年の日本国内での風疹感染件数は1,289件(10月17日時点)。2017年は93件、2016年は126件、2015年は163件であり、今年に入り感染者が急増しています。都道府県別では千葉県、東京都、神奈川県の順に感染者が多いようです。また、香港での2018年の感染件数は6件となっています。

香港政府の衛生署はプレスリリースにて、「風疹の感染予防に最も有効であるのはワクチン接種である。日本に渡航を予定している者はワクチン接種記録や過去の感染記録を確認し、抗体があるか確認するように。特に妊娠中の女性で抗体がない者や、1歳未満の子供は日本に渡航すべきでない。」と発表しています。また、ワクチン接種から抗体ができるまでには約2週間かかる点や、1歳未満の子供はワクチン接種ができない点にも注意が必要です。

風疹に感染すると、発疹、発熱、鼻水、咳などの症状がみられます。発疹は顔から全身に広がり、約3日間でおさまることから三日はしかとも呼ばれています。感染者の鼻水や咳を通して感染し、潜伏期間は2~3週間で、発疹の前後1週間は他人への感染力があります。妊娠20週頃まで(特に妊娠初期)の妊婦が感染すると、胎児が先天性風疹症候群にかかることがあり、難聴、心疾患、白内障、精神や身体の発達の遅れ等の障害を持った赤ちゃんが生まれる可能性があります。

香港政府の衛生署は、日本の厚生労働省やWHO(世界保健機関)と協力し、状況の観察を継続するとしています。