香港政府がタクシー運転手のマナー改善を強化

更新日:2018年07月19日
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TAXI

香港政府は、タクシー運転手のマナー改善に向けて「デメリットポイントシステム」導入案を、来年の実施にむけて立法会に提出しました。このポイントは悪質なサービスを提供するタクシーに加算され、累積ポイントが一定のレベルに達すると、タクシードライバーに対してタクシー免許の停止処分が課されます。香港タクシーの乗車拒否や遠回りなどの違反行為の減少が期待されています。

デメリットポイントシステムの導入は、タクシー利用客からの不満への対応であり、タクシー業界全体のサービス向上を目的としています。タクシー産業発展協会Chan Man-keung会長は、今回のポイント導入について支持を表明すると同時に、乗客とドライバーの公平を保つため全てのタクシーに車内カメラの搭載が必要であると述べています。

今回の取り組みは、以下に掲げる11件のマナー違反に対して、5または10ポイントを加算していくという方法で実施されます。2年以内に累積ポイントが15ポイントに達すると3か月から6か月のタクシー免許の停止処分。一方、2年以内に10ポイントに達したタクシードライバーにおいては、改善プログラムに参加すれば3ポイントを回復させるという救済措置もあります。

【10ポイント加算】
料金の過剰請求
指定された目的地を拒否または無視
乗車拒否または無視
目的地への遠回り
追加料金をせがむ行為

改造や故障したタクシーメーターの使用

【5ポイント加算】
定員を超えない人数においての乗車拒否
乗客グループ以外の人物を合わせて乗車させる行為
レシートの発行拒否
適正料金や適正ルートの説明拒否や虚偽説明

タクシーメーターを動作(停止)させない行為

「広東語を話せないことを知ると遠回りをするドライバーがいる」とのコメントや、「今回のシステム導入においては乗客のガイドラインも整えるべきである」という意見など様々な反応があり、今回のポイント制導入がどれほどタクシーサービス改善に繋がっていくか注視していく必要がありそうです。

なお、香港のタクシーには、香港のほぼ全域を運転する「赤色タクシー」、ニューテリトリーのみを走っている「緑色タクシー」、ランタウ島専用の「水色タクシー」がありますが、全てのタクシーに対して本法案は適用となります。ちなみに、ハーバートンネルを通る場合に乗車拒否をするタクシーを多く見かけますが、現行の法律でも乗車拒否は違法となります。