最高裁が同性カップルの家族ビザと就労権を認める
更新日:2018年07月05日
同性同士の結婚制度のない香港で、イギリス人の女性同士のカップルSSさんとQTさんが申請した家族ビザ(Dependant Visa)と就労権利に対して香港最高裁が認めました。「同性愛者の権利を尊重する大きな一歩」として世界の各紙が大きく報じています。
元々、SSさんとQTさんはイギリス国内のシビルパートナーシップ制度により異性間の婚姻とほぼ同等の権利を与えられていました。SSさんは2011年に香港での仕事が決定したため就労ビザを申請、QTさんを配偶者として家族ビザを申請しましたが、香港イミグレーションの審査基準に満たないという理由で、QTさんの家族ビザは2014年に却下されていました。
イミグレーションの却下決定に対してQTさんは司法レビューで不服を申し立てましたが、2015年に敗訴。この司法の判断に対して控訴し、2017年高等裁で逆転勝訴を勝ち取りました。高等裁の判断に対してイミグレーションが上訴した結果、最高裁で今回の判決が下されました。
最高裁の判決では、「家族ビザの申請を却下した香港イミグレーションの判断は適切ではなかった。香港への移住において家族を同伴できるかどうかは重要な問題。」と述べられており、今後は同性愛者でも異性愛者と同様の審査基準でビザが発行されると考えられているようです。
また、今回の裁判はゴールドマン・サックスや モルガン・スタンレーをはじめとする世界的な大手金融機関が支援していたことでも注目が集まりました。香港の各銀行からも賛辞が寄せられており、「すべての人の権利を尊重することは優秀な海外人材の香港への招き入れにおいて重要」などのコメントが集まっています。