映画モデルにもなった凶悪香港マフィアが死亡
昨日、連続宝石店強盗やカジノ強盗、警察との銃撃戦、脱獄など数々の凶悪犯罪を起こし香港で最も凶悪なマフィアの一人として知られていた葉繼歡(イップ・カイ・フーン)が55歳で肺がんにより死亡したことが確認されました。
葉繼歡は、中華圏で最も有名な映画賞である「香港アカデミー賞2017」で、最優秀作品賞を獲得した「樹大招風/TRIVISA(日本語名:大樹は風を招く)」というマフィア映画のモデルにもなった人物でもあり、その一生が香港中の注目を集めています。
葉繼歡は1980年代~1990年代、10年以上にもわたる一連強盗事件で総額2000万香港ドル(約2億8000万円)を手に入れた人物として知られています。1984年、23歳の時にマシンガンを用いて尖沙咀や中環の宝石店で強盗をし、1985年に逮捕され投獄されるも、その4年後の1989年には脱獄に成功。脱獄は、虚偽の盲腸炎で公立クイーン・メアリー病院にて治療を受けている最中に車をハイジャックしおこなわれたそうです。
その後も1990年代に数々の宝石店や、マカオのハイアット・リージェンシーのカジノなどで強盗事件を起こし、その度に警察との銃撃戦が発生。強力な対人殺傷用ライフル「AK-47」を装備していたことでも有名であり、1993年には、旺角の大通り「ネイザンロード」で警察との銃撃戦により、流れ弾に当たった通行人が死亡したことも大きな事件となりました。深センでのビジネスマン誘拐や警察への通報者の殺害にも関与するなど、その犯罪数は恐るべきものとなっています。
葉繼歡は1996年に再度逮捕され、脱獄前の刑期も合わせて合計41年の禁固刑が言い渡されます。逮捕の際ケネディタウンにて、またも警察との銃撃戦が勃発し、その時に脊椎を損傷したことにより車椅子での生活を送る一生となりました。その後刑務所内では静かな生活を送り、2003年に結婚、2010年には、「家族や社会に迷惑をかけた」と後悔の念を示す手紙を書き、発表していました。
2017年4月1日、肺がんが悪化し28年前に脱獄した時と同じ公立クイーン・メアリー病院に搬送され、昨日その一生を終えました。刑務所内でのおこないから、刑期の軽減も考慮されていたようで、早ければ2019年には出所する予定だったとのことです。