香港名物ピンクイルカが絶滅の危機に!

更新日:2016年08月04日
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香港 ピンクイルカ

香港のランタオ島で見学できることで有名な野生の「ピンクイルカ」ですが、香港の海の汚染・生態系の破壊が原因で生存数が急速に減少していることが政府の統計により分かりました。最新の統計では、ランタオ島北部での目撃数は2003年に年間102頭が確認されていたものが2015年には10頭にまで減少、そして香港西部全体では、香港マカオ間の橋の建設による影響で、生存数が年間60%も減少しています。

一般観光客がピンクイルカを見られる場所として有名なのは大澳(ランタオ島の西部にある漁村エリア)で、以前はクルーザーでの見学ツアーに参加すればかなり高い確率で遭遇でき、もし見られなくても無料で再度ツアーに参加できる保証があるほどでしたが、現在はめったに見られないためツアー自体がほとんど開催されていません。幸いにも先月、香港BSスタッフが大澳の村を海から見るツアーに参加していたところ、沖合で偶然にも目撃することができましたが、ガイドさんの話では最近はなかなか見かけることはないとのことでした。

子供のピンクイルカの数も歴史的な減少数を見せているとのことも政府の統計により明らかになっています。ピンクイルカの出産は3年に1度だけ、そして子育てに3年かかるため、このままでは絶滅してしまうと危惧されているようです。なお、ピンクイルカの子供は灰色で、大人になるにつれてピンクに変わります。

WWF(世界自然保護基金)の香港支部は、香港国際空港の第3滑走路の建設が始まると、埋め立て地がさらに増え、ピンクイルカの生態にさらに影響を与えると懸念しており、海洋保護エリアの拡大の必要性を香港政府へ訴えているとのことです。