陳おばあさんへの心温まる香港市民の対応
更新日:2015年09月23日
露店での新聞販売を50年以上続けて生計を立てていた75歳の陳おばあさん(以下:陳さん)が居眠中に、ほぼ全財産である35,000香港ドル(約54万円)を盗まれる事件が発生しました。
陳さんは19歳で結婚後、3人の子供を育てあげましたが現在は子供と疎遠になっており、半年前には住んでいた家を追い出されるなど、過酷な状況に立たされている最中の出来事でした。
このニュースを受けた香港市民は、陳さんの露店で通常7香港ドル(約100円)で販売されている新聞を100~500香港ドル(1500~7800円)で購入したり、月餅(ゲッペイ)や果物を差し入れるなどして失望の淵にいる陳さんを励ましています。
中には状況を憐れんだ市民から現金を寄付したいとの申し出もあったそうですが、これには「幸いにも銀行に少しお金があるので、新聞の仕入はできます。私はこれからも新聞を売って生計を立てます。」と陳さんは丁寧に断ったようです。
香港人は人情味がある人が多く、電車やバスの中でお年寄りや妊婦などに席を譲る光景や、路上で困っている人を見ると積極的に声をかける姿を良く目にします。
現在、警察にて捜査がおこなわれていますが、犯人逮捕の目途は立っておらず、早期解決を心より願っています。