亜洲電視ライセンス停止、PCCWが新たに参入
更新日:2015年04月02日
香港政府はATV(亜洲電視)に対し、無料地上波放送ライセンスの発行はしないことを発表しました。しかし12か月の猶予を与えるとし、来年2016年3月31日まで放送は行われる予定です。(香港各紙)
ATVは昨年より、従業員への給与未払いなどが表面化。資金調達のためホワイトナイト探しが行われていましたが、条件面でなかなか折り合わず、香港メディアを連日賑わせていました。香港政府もATVに対し、再建案を今年2月末までに提出するよう要求していましたが、一向に提出されなかったため、引き続きライセンスを発行するには値しないと判断を下したようです。
政府は、ATVのライセンス失効の発表とともに、「香港電視娯楽(香港大手通信会社PCCW傘下)」が無料地上波放送ライセンス(期間12年間)の許可を発表しました。「香港電視娯楽」は、1~2年以内に広東語と英語のチャンネルを開設する予定です。
香港の地上波放送局はATVとTVBの2局ありますが、実質的にはTVBの独占状態となっていました。政府としても、この状況を解消するために、2009年に「無料デジタル放送ライセンスの追加発行」の公募を行い、これに申請するためにPCCWが「香港電視娯楽」を2010年に設立した経緯があります。
香港電視娯楽はデジタル放送専門となるため、デジタル対応テレビが必要となります。香港ではテレビのデジタル移行が完了していないため、少し混乱が起こるかもしれません。