香港での雇用契約書の作成に関する詳細

香港で有効な雇用契約書の作成方法やアドバイス、記載するべき内容や記載をお薦めする項目について詳細にご案内していきます。香港では雇用主と従業員とのトラブルにより、従業員が労働裁判所に訴えるという事が良く起こりますので雇用条例に従った雇用契約書を作成することはとても重要です。

香港の雇用契約書を作成する方法

香港での雇用契約書は雇用主が作成して従業員と契約を交わすのが一般的です。雇用契約書の形式に規定はありませんが、香港政府の労働局のWEBサイトから雇用契約書のサンプルデータをダウンロードして参考にしながら作成することも可能です。

また、日本の労働基準法に対応している雇用契約書であっても香港の法律には準じていない可能性があります。日本の雇用契約書を使用したい場合は、専門家と内容確認をおこないながら英語または中国語にて香港に対応した雇用契約書を作成する必要があります。

雇用契約書の準備ができましたら2部準備し、雇用主と従業員で内容確認をおこない署名をおこなってください。1部は雇用主が保管し、残り1部は従業員が保管します。

なお、香港での雇用契約は口頭でも成立しますが、トラブル時には雇用主が立証する責任があるため雇用契約書で契約をおこなうことをおすすめします。当社では人事労務業務のプロフェッショナルが雇用契約書の作成サポートをおこなっています。ご希望の方は当社までお問い合わせください。

香港の雇用契約書に記載が必要な内容

香港の雇用契約書に記載が必要な内容は「賃金、賃金の算定期間、契約解除に必要な予告期間、年末手当の有無と算定期間」です。香港政府の労働局が提供している雇用契約書のサンプルデータには、これらの記載が必要な内容が書かれていますので参考するのも良いでしょう。また、雇用契約書の内容に変更が生じた場合は最低でも1ヶ月前に従業員へ書面で通知し、従業員の同意を得てから新たな内容で再度雇用契約書を作成するか変更合意書に署名を貰ってください。

香港の雇用契約書に記載をお薦めする項目

香港の雇用契約書に記載したほうが良い項目についてご案内します。

・役職や勤務地について
・勤務時間や時間外労働について
・休息日、祝日、有給休暇について
・悪天候時の対応について

香港には就業時間や残業に関する法律が存在しないので「勤務時間」や「時間外労働」についての条件は雇用契約書に記載することが特に重要です。

香港では年に何度か大きな台風や豪雨が発生します。日本の気象庁にあたる香港天文台は台風や大雨の大きさを表す警報を発信する役割を担っており、台風警報「シグナル8以上」、大雨警報「ブラックレイン」発令時に、雇用主は従業員に対して安全な場所での待機を指示する必要があります。従業員の出社前であれば自宅待機とするのか、在宅勤務とするのかを雇用契約書に記載しておくことが重要です。

また、遅刻・早退・欠勤の取り扱い、解雇や契約違反の規定、社内のルールなどを独自に定めたい場合は、就業規則を作成しそこに記載することが一般的です。就業規則の作成は義務ではないのですが、一定規模のある会社や、店舗などの現場がある会社は、トラブルが多く発生するため、就業規則を作成することをお勧めします。

従業員が労働裁判所に訴えるという事例

香港では、雇用主と従業員とのトラブルにより、従業員が労働裁判所に訴えるという事が良く起こります。雇用主と従業員でのトラブルが起こらないように、従業員を雇用する際には雇用契約書の内容をしっかりと伝えて理解を得ることが大切です。

雇用契約書の作成に自信のない場合はご相談ください。雇用条例を熟知している日本人の専門家スタッフが香港の雇用条例に基づき雇用契約書の作成をサポートします。

香港政府が定める雇用条例のガイドブック

従業員の雇用保護を目的とする香港の雇用条例の内容は、香港政府の労働局により一般公開されている「雇用条例ガイドブック」から確認することができます。雇用条例ガイドブックは英語版または中国語版しかかりませんが、当社では雇用条例ガイドブックを日本語化したものを公開していますので興味のある方はご覧ください。

人事労務管理についてご不明な点がありましたら、いつでもお問い合わせください。

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