香港法人の放置による罰金通知と対応方法
香港法人の放置による罰金通知と対応について
香港法人を2年以上放置していると、香港政府から「年次報告書(NAR1)の未提出、商業登記証(BR)の未払い、法人税の未申告」のペナルティーとして罰金通知が届くことがあります。
香港政府から罰金通知が届いた場合には速やかに支払いを済ませてください。罰金通知への対応を怠ることで、香港の裁判所への出頭が命じられることがあり事態が大きく悪化する恐れがあります。また、複数年に渡り香港法人を放置していると1年ごとに罰金も加算されていきます。罰金通知への対応方法が分からない場合には、香港法人の会社秘書役に連絡をしてサポートを受けてください。
香港法人を存続させながら会社運営を一時停止させたいという場合には休眠手続きをご検討ください。休眠手続きが完了すると、毎年の商業登記費用の支払いだけが必要になりますが、年次報告書の提出と会計監査が一時的に免除されます。年次報告書(NAR1)の未提出による罰金
年次報告書(NAR1)を提出していなければ、香港の会社登記局(Companies Registry)から罰金通知が届きます。罰金額は以下ように計算されており、提出期限の基準となる法人設立記念日から超過した日数で変わります。また、年次報告書は会社秘書役に依頼して作成するのが通常です。
- 42日以上3か月未満
- 870香港ドル
- 3ヵ月以上6か月未満
- 1,740香港ドル
- 6ヵ月以上9か月未満
- 2,610香港ドル
- 9か月以上
- 3,480香港ドル
商業登記証(BR)の未提出による罰金
香港法人の商業登記証(BR)には有効期限があり、有効期限の1ヶ月前になると香港の税務局(IRD)から最新の商業登記証と納付書が香港法人の登記住所宛に送られてきます。商業登記証には支払期日が記載されており1日でも期日を過ぎると以下の罰金が科せられます。商業登記証の費用が未払いで裁判へと発展したケースもありますので注意が必要です。
- 香港法人
- 300香港ドル(1年更新のBR)、900香港ドル(3年更新のBR)
- 海外法人の香港支店
- 71香港ドル(1年更新のBR)、213香港ドル(3年更新のBR)
法人税の未申告による罰金
法人税が未申告であれば香港の税務局(IRD)から違反通知(IRC 1802)が届きます。違反通知には、違反内容や起訴されないための条件、罰金額などが記載されています。税務申告をおこなわずに有罪となった場合には最大10,000香港ドル及び徴収額の3倍以下の罰金が課せられます。
香港で税務申告をおこなうためには会計監査が必要となりますので法人税を申告するためには香港の会計事務所に依頼するのが通常です。当社でもお客様にニーズに合わせて会計監査をサポートしていますのでお困りの際はご相談ください。香港法人の休眠や閉鎖を考えている場合
香港法人の休眠や閉鎖を考えている場合は放置するのではなく適切な休眠や閉鎖の手続きをおこなうことが大切です。香港法人の休眠や閉鎖を決定した際には会社秘書役に手続きを依頼するのが一般的な流れになります。
香港法人を放置していると「年次報告書(NAR1)、商業登記証(BR)、法人税の申告」といった年間の管理費用がかかり、未払があると上記で説明したように罰金が科せられたり、それ以上のトラブルに発展することがありますので、香港法人を活用する予定のない場合は、休眠手続きをおこなうか、香港法人の閉鎖を検討することをおすすめします。
休眠手続きは、香港の会社登記局(Companies Registry)に申請するだけで簡単に手続きすることができます。ビジネスが再開するまでは、毎年の商業登記費用の支払いこそ必要になりますが、年次報告書の提出と会計監査が一時的に免除されます。
香港法人を閉鎖したい場合は、香港会社の閉鎖手続きの方法のページにて詳しく解説していますのでご覧ください。
香港法人の運営に関してのご不明点があればお気軽にお問い合わせください。当社では香港会社の管理や会計などの会社運営に関連するすべての課題に対応できます。