香港で不法就労が発覚する経緯と刑罰ついて解説
目次
不法就労とは?不法就労とみなされる基準

不法就労とは、働くための許可を得ていない者が、有給無給を問わず働くことをいいます。香港では就労ビザなどのビザを取得していない外国人が、観光ビザ(パスポート)で就労をおこなっていると不法就労とみなされます。就労ビザを取得している場合でも、就労が許可されていない会社(ビザスポンサー以外の会社)で働くこと、スポンサー変更をおこなわずに他の会社に転職をして働くこと、副業申請をせずにアルバイトをして仕事を掛け持ちすることなどは不法就労とみなされます。また、就労ビザなどの期限日が過ぎており、更新を忘れて就労をしている場合でも不法就労とみなされますので注意が必要です。
上記の他にも、出張のつもりで香港会社と関わっていたことが不法就労とみなされて逮捕となったケースもあります。香港での出張と就労の判断がつかない場合は当社までご相談をいただければ回答をいたします。出張に関する詳細は、香港でのビザ取得が不要な出張業務の基準と範囲のページに記載してあります。不法就労とみなされた場合の罰金や禁固刑

香港で不法就労が発覚すると、不法就労者は最大罰金5万香港ドルおよび2年間の禁固刑となり、雇用主は最大罰金50万香港ドルおよび10年間の禁固刑となります。関与をおこなったダイレクター、管理職、秘書、パートナーなども刑事責任を負う可能性があります。
日本人が不法就労で逮捕されると、香港メディアが実名で大きく報じることが多く、過去にも何人もの日本人が報道されました。刑罰は罪の深刻度によりますが、罰金のみとなった日本人もいますし、2ヶ月の禁固刑となった日本人もいます。
なお、不法就労で逮捕されると刑罰を受けるだけでなく、香港の入境が拒否されたり、香港でのビザが取得できなくなる可能性もあります。不法就労が発覚する経緯:告発

香港での不法就労は、知人や関係者による告発で発覚することが多いと言われています。従業員による内部告発や、取引先や競合他社による通報などが考えられ、解雇された元従業員により通報されるというケースもあります。
香港イミグレーションでは、不法就労など入境条例違反に関する通報をオンラインや電話で受け付けています。オンライン通報は、香港イミグレーションのホームページ上に用意されている通報フォームに記入し、違反の種類(オーバーステイ、不法就労/不法就労者の雇用、その他)を選択し、違反場所や日時、仕事内容(皿洗いなど)、雇用主の詳細、容疑者の名前、性別、国籍、年齢などを分かる範囲で記入し、証拠となる写真や書類などがある場合には添付をして通報することができます。
不法就労が発覚する経緯:抜き打ち捜査

香港での不法就労は、香港イミグレーションの抜き打ち捜査によって発覚することも多いと言われています。捜査員は不定期に工場や工事現場を訪れて捜査をおこないます。捜査員であることが知られないように覆面で店舗に訪れて捜査をおこなうこともあります。
香港のイミグレーションと警察と労働局が共同でおこなう取締り強化期間もあります。捜査員が、小売店、飲食店、マッサージ店など店舗を訪れ、一斉捜査に入る姿はニュース番組などでも大きく報道されています。不法就労が発覚する経緯:入境審査

不法就労が発覚する経緯:その他

香港ビザの更新や永住権を取得するための資料を香港イミグレーションに提出した際に、不法就労の証拠となるような書類が含まれていて不法就労が発覚するケースがあります。
その中でも最も良くある実例は「雇用証明書に記載されている雇用開始日が、ビザが有効となった日付よりも前になっている」というケースです。ビザの承認や発給がされていても、ビザが有効となっていない段階では香港で働くことはできません。ビザの有効化手続きをおこなうためには香港の入境審査で処理をおこなう必要があります。
ビザが承認される前に香港に入境して仕事を始めていたことを忘れてしまい、不法就労の証拠を提出してしまったというケースは比較的多いため、必ずビザが承認され有効化されてから働くようにしてください。
香港ビザに関する知識が十分でない場合は香港のビザの専門家に各手続きを依頼することをおすすめします。香港イミグレーションは不法就労に対して厳しく取りまるため、不法就労が疑われないように、香港イミグレーションに提出する資料には細心の注意を払う必要があります。当社にも香港ビザの専門家が複数名おりますので何かございましたらお気軽にお問い合わせください。