香港での騒音や異臭などの近隣トラブルの対象方法
香港での騒音トラブルと異臭トラブル
香港には様々な国籍の人々が住んでいるため、日本ではみられない近隣とのトラブルが発生することがあります。日本では騒音によるトラブルが多く発生しますが、香港では騒音だけでなく異臭トラブルも多く報告されます。
騒音トラブルについて、香港の騒音に関する条例(第400章)には「夜11時から朝7時」と「日曜と祝日(終日)」に騒音を出してはならないという条例がありますので、違反がみられる場合には騒音を止めるように訴えることができます。騒音とは、住居や公共の場で通常人が耐えられないような迷惑な音が対象と定義されています。上記の時間帯以外であっても楽器演奏(音楽プレーヤー含む)、メガホン、ゲーム、エアコン、動物などによる騒音は常に条例違反となる可能性があります。
しかし、条件に当てはまらない場合には騒音トラブルの完全な解決は難しく、当社でも数カ月間にわたる上階の工事により、お客様との電話や打ち合わせでの声が聞こえないということに悩まされたことがあります。居住用のマンションであっても同様の問題に悩まされることがあります。条例では、工事による騒音は、許可を得ていなければ罰則の対象となります。建物のオーナーやテナントが工事をおこなう際、持ち運びできる機材一つのみなら許可なしで工事してもよい等の決まりもあります。なお、電車やトラムによる騒音も条例違反とはなりません。
異臭については、公衆衛生に関する条例「公眾衞生及市政條例(第132章)」では「迷惑となるような方法で建物からほこり、煙、気体を放出すること」は迷惑行為に含まれ、このうち「気体」にはゴミの臭い等も含む可能性があると香港大学の法律センターは解説しています。たとえ煙や臭いが実際に有害であったり健康に危害を及ぼさない場合でも迷惑行為に含まれることがあり、訴えられる可能性があります。なお、実際に人体に影響を及ぼす空気汚染に関しては「空氣污染管制條例(第311章)」があります。
賃貸マンションではペットの飼育での異臭トラブルが特に多いといえます。また、香港にはインド、パキスタンやネパールなどの南西アジアの居住者が多いため、料理で使用されるスパイスなどの匂いに耐えられないという悩みを寄せられます。しかし、これらの匂いをいきなり迷惑行為として訴えられるかどうかは難しいです。これらの他にも、ビルの配管や建物の不具合による異臭トラブルも頻繁に報告されます。
当社では日本人の方が香港で快適に暮らせるように最適な物件を案内するように努めていますのでマンションやオフィスをお探しの方はお気軽にお問合せください。第三者を通じてクレームをすることが大切
騒音や異臭などのクレームを直接相手に伝えるのはとても危険です。当事者同士の感情が対立して嫌がらせを受けたという報告もあるため、以下の順序でクレームをしていくことをおすすめします。
2.ビルの管理人に相談する
3.物件オーナーに相談する
4.香港警察に通報する
不動産の仲介会社に相談をする
騒音や異臭などトラブルが発生している場合は賃貸契約をサポートした不動産仲介会社に相談するのが最適です。不動産仲介会社にとって契約者は大切なお客様であるため、基本的には長期的な関係を継続するためにも丁寧な対応が受けられます。緊急なトラブルが発生している場合は、ビルの管理人または香港警察に連絡してください。
ビルの管理人に相談する
香港のマンションやオフィスなどのビルには管理人が常駐しています。ビルの管理人は居住者の生活や安全を守ることが重要な仕事となっているため、居住者のクレームには素早く対応してくれます。建物内の掲示板やエレベーター内に注意喚起の紙を貼ってくれる場合もあります。
また、ビルの管理人のほとんどは広東語しか話せません。英語を話せる管理人は少なく、日本語を話せる管理人は殆んどいません。クレームを言葉で伝えることができない方は、ジェスチャーや手招きなどで問題が発生している現場にビルの管理人を連れていき、状況を理解してもらうのが良いでしょう。香港に住んでいる多くの日本人はこのようにクレームに対して対応しています。物件オーナーに相談する
ビルの管理人に騒音や異臭を報告しても改善がみられない場合は物件オーナーに相談しましょう。不動産の賃貸契約書には「第三者に迷惑をかけてはならない」という内容が表記されていますので、物件オーナー同士の話し合いにより改善されることがあります。騒音や異臭の原因が賃貸契約者であれば改善に努めなくてはならず、改善できなければ強制退去を言い渡されることもあります。
香港警察に通報する
緊急を要する大きなトラブルが発生している場合は香港警察に通報しましょう。香港警察署の緊急時の電話番号は「999」であり状況説明をおこなえば警察官が素早く駆けつけてくれます。