香港不動産の賃貸や売買における印紙税と計算方法

香港で不動産の賃貸や売買をおこなうには印紙税が必要となります。印紙税を支払うことで不動産契約における法的な契約証明となるため非常に大切です。このページでは印紙税とは何かについて、どんな種類があるのか、印紙税の計算方法などについて詳しく解説していきます。

香港の印紙税、種類や支払い方法

印紙税の種類や支払い

不動産の契約時や更新時には、香港政府に対して印紙税(Stamp duty)という税金を支払う必要があります。印紙税の支払いは不動産契約における法的な契約証明となります。反対に印紙税の支払いをしていない不動産契約は法的に有効な証拠にはなりません。

賃貸契約での印紙税は借主と大家が折半をして支払います。不動産購入の場合は、永住権をもたない方は買主印紙税(BSD)と従価印紙税(AVD)、永住権保有者は従価印紙税(AVD)の支払いが求められます。不動産を売却する場合は、特別印紙税(SSD)という印紙税がありますが、物件所有から3年以上経過していれば支払いが免除されます。

賃貸物件での印紙税の支払いは、不動産の仲介会社を通じておこなうのが通常ですが、香港政府に直接支払いすることも可能です。不動産売買においては弁護士を通じて印紙税を支払うのが一般的です。

賃貸物件の印紙税額と計算方法

賃貸物件契約での印紙税額は以下の通りです。印紙税は賃貸契約時に借主と大家が折半をして支払います。印紙税額は賃貸物件の契約期間(フィックス期間とオプション期間の両方)により変わります。また、印紙税は賃貸物件の更新時にもかかります。

契約期間 印紙税額
1年以下 0.25%×契約期間中の賃料合計
1年超~3年以下 0.5%×年額賃料の平均額
3年超~ 1%×年額賃料の平均額

居住用の賃貸物件の契約期間は通常2年ですが、オフィスや店舗物件などでは3年を超える契約もあります。賃貸契約が1年以下となることはほとんどありませんが、それぞれの印紙税の計算について案内していきます。

契約期間1年、月額家賃2万香港ドルの印紙税

2万香港ドル(1ヶ月の家賃)×12ヶ月(契約期間)×0.25%=600香港ドル(印紙税)

契約期間2年、月額家賃2万香港ドルの印紙税

2万香港ドル(1ヶ月の家賃)×12ヶ月(契約期間)×0.5%=1,200香港ドル(印紙税)

4年契約、家賃が年次毎に異なる場合の印紙税

オフィスや店舗物件では1年目の家賃が20,000香港ドル、2年目が24,000香港ドル、3年目が28,000香港ドル、4年目が30,000香港ドルというように、年次毎に家賃が異なることがあります。このような場合の印紙税の計算方法は以下。

20,000×12ヶ月=24万香港ドル(1年目の年額賃料)

24,000×12ヶ月=28万8000香港ドル(2年目の年額賃料)

28,000×12ヶ月=33万6000香港ドル(3年目の年額賃料)

30,000×12ヶ月=36万香港ドル(4年目の年額賃料)

(240,000+288,000+336,000+360,000)÷4=306,000香港ドル(年額賃料の平均額)

306,000香港ドル×1%=3,060香港ドル(印紙税)

なお、不動産賃貸では印紙税の他にも、不動産会社への仲介手数料、仮契約の手付金、保証金を支払う必要があります。詳しくは香港での不動産の賃貸と購入ページに記載していますのでご確認ください。

不動産購入での印紙税額と計算方法

香港の不動産購入では、買主印紙税(BSD)と従価印紙税(AVD)という印紙税に注目する必要があります。買主印紙税は不動産購入価格の15%ですが、香港の永住権保有者にはかかりません。

従価印紙税(AVD)は、永久権保有者で香港に住宅物件を持っていない場合、以下の表を参考に印紙税を計算します。当てはまらない方は不動産購入価格の15%が印紙税となります。

物件購入価格 印紙税額
2,000,000未満 100
2,000,000超 2,351,760未満 100 + 2,000,000を超えた部分の10%
2,351,760超 3,000,000未満 1.5%
3,000,000超 3,290,320未満 45,000 + 3,000,000を超えた部分の10%
3,290,320超 4,000,000未満 2.25%
4,000,000超 4,428,570未満 90,000 + 4,000,000を超えた部分の10%
4,428,570超 6,000,000未満 3%
6,000,000超 6,720,000未満 180,000 + 6,000,000を超えた部分の10%
6,720,000超 20,000,000未満 3.75%
20,000,000超 21,739,120未満 750,000 + 20,000,000を超えた部分の10%
21,739,120超 4.25%

購入価格600万香港ドル、永住権を持っていない場合の印紙税

600万香港ドル×15%=90万香港ドル(買主印紙税 BSD)

600万香港ドル×15%=90万香港ドル(従価印紙税AVD)

買主印紙税+従価印紙税=180万香港ドル(印紙税)

購入価格600万香港ドル、住宅物件を持っていない永住権保有者の印紙税

600万香港ドル×3%(従価印紙税)=18万香港ドル(印紙税)

なお、不動産購入では印紙税の他にも、不動産会社への仲介手数料(新築は不要、中古は購入価格の1%)、弁護士費用(新築は5,000~30,000香港ドル、中古は10,000香港ドル以内)がかかります。詳しくは香港の住宅・マンションの購入と売却ページをご確認ください。

不動産売却での印紙税額と計算方法

香港の不動産売却を検討している方は、特別印紙税(SSD)という印紙税に注目してください。特別印紙税(SSD)は、物件所有から3年以上経過していればかかりませんが、3年以内に物件を売却する場合には以下の表に従った印紙税がかかります。

住宅物件の所有期間 特別印紙税額
6ヶ月以下 売却価格の20%
6ヶ月超~12ヶ月以下 売却価格の15%
12ヶ月超~36ヶ月以下 売却価格の10%

売却価格600万香港ドル、不動産保有2年の場合の印紙税

600万香港ドル×10%(特別印紙税 SSD)=60万香港ドル(印紙税)

なお、不動産売却では印紙税の他にも、不動産会社への仲介手数料(売却価格の1%)、約15,000香港ドルの弁護士費用がかかります。詳しくは香港の住宅・マンションの購入と売却ページをご確認ください。

香港の不動産でお困りの方は当社にお任せください。ご要望にベストマッチをするよう価格交渉から契約後のアフターフォローまでフルサポートいたします。ご不明な点などはお気軽にお問合せください。

電話相談(日本人が対応)
(+852)2529-8288
受付:9:00〜18:00/月〜金(祝日は除く)
メールでのお問合せ 香港不動産の賃貸と購入ページ