香港の保証金を解説、日本の敷金や礼金との違い
日本で賃貸物件を借りる際には敷金や礼金が求められますが、香港には礼金という制度はなく、家賃滞納や設備などの破損に備えた担保金(敷金)のことを保証金といいます。このページでは香港の賃貸契約での重要キーワードである保証金について詳しく解説していきます。
香港の保証金を詳しく解説
日本の「敷金・礼金」と香港の「保証金」
日本には「敷金」と「礼金」がありますが、香港には礼金がなく「保証金」が敷金になります。
通常、保証金は物件退去から1ヶ月以内に全額返金されますが、備え付けの家具や内装に大きな破損があり、大家が原状回復を必要だと判断すれば保証金が使われます。家賃の未払いにおいても保証金で相殺されます。賃貸契約で必要となる保証金の金額
香港で賃貸物件を借りるには保証金を準備する必要があり、その金額は物件種類によって異なります。住居用マンションは家賃の2ヶ月分、オフィス物件は家賃の2~3ヶ月分、レストランやショップ物件は家賃の3~4ヶ月分の保証金が必要となります。
賃貸契約で保証金以外にかかる費用
香港での賃貸契約においての必要費用は以下となります。
- 仲介手数料
- 家賃の0.5~1ヶ月分
- 仮契約の手付金
- 家賃の1ヶ月分(賃貸開始後、前払家賃に充当)
- 保証金(敷金)
- 家賃2~4ヶ月分(退去時、内装や備品に問題がなければ返金)
- 印紙税
- 「年間家賃 × 0.5% + HK$5」を貸主と借主で折半
保証金の支払い方法
居住用マンションの保証金は本契約締結時に支払い、基本的には銀行振込または小切手での支払いとなりますが、大家によっては現金を受けてくれる場合もあります。オフィスや店舗などの賃貸物件は法人契約が基本となり、保証金は小切手での支払いとなることが一般的です。
保証金が返金されるタイミング
保証金が返金されるタイミングは通常、退去手続き完了から約1ヶ月以内となります。保証金が返還されない場合は、返還請求をおこなうことや香港政府が用意している無料法律相談制度へ相談することもできます。
居住用マンションは、備え付けの家具や内装に破損や摩耗があっても、通常使用の範囲を超えていなければ全額返金となるのが通常です。しかし、大家が原状回復を必要だと判断すれば保証金が使用され、保証金では費用が賄えない場合には追加費用が発生することになります。オフィスやショップ物件での考え方も同じですが、居住用マンションに比べて原状回復を細かく求められることが多くあります。
なお、正当な理由がなければ大家は保証金の全額を返金しならないので、大家が原状回復のために使用した費用明細は必ず取得するようにしてください。家賃値上がりした場合の保証金
契約更新時に家賃が値上がりした場合、保証金を追加で納めることになります。例えば、家賃10,000HKDの居住用マンションが家賃11,000HKDに値上がりした場合は、値上がり分である「1,000HKD×2ヶ月分の保証金=2,000HKD」、つまり2,000HKDの保証金を追加で支払うことになります。家賃が値下がりした場合は、値下がり分の保証金が返金されます。
保証金が返金されないケース
家賃の滞納があると、物件退去時に滞納分の保証金は返金されません。大家が物件の原状回復を必要とした場合にも保証金が使われます。原状回復費用が保証金では賄えない場合は追加費用が発生します。
その他にもフィックス期間(退去できない契約期間)に退去を希望する場合、大家との交渉により「保証金の没収」、または「保証金の没収および賃貸契約書に従ったペナルティー」という条件で退去できることがあります。
当社では物件選びから入居、退去の手続きまでフルサポートを行っております。幅広いネットワークで、物件紹介だけでなく内装工事やインフラ手配も可能です。スタッフは日本語が堪能ですので、言語の心配もありません。ご不明な点がある方やサポートをご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。