従業員が早期退職した場合の人材紹介会社の保証

香港の人材紹介会社や人材紹介サービスを通じて採用をおこなった従業員が早期退職となった場合の保証制度などの対応について解説しています。また、従業員の早期退職を防ぐための対策やプロベーション期間（試用期間）に関するルールについても説明しています。

日系の人材紹介会社は採用者が短期間で退職した場合に備えた保証制度を用意しています。保証制度は人材紹介会社により様々ですが、大きく分けると「代替人材の紹介」と「返金」になります。

代替人材の紹介について、日系の人材紹介会社の多くは「採用者が3ヵ月以内に退職した場合、採用から3ヵ月以内の範囲で代替人材を紹介する」という保証制度を用意しています。しかし、理想的な代替人材は簡単に見つからないことが多いことから人材を採用する際には慎重に応募者を見極める必要があります。

返金について、採用者が早期退職した場合に返金するという日系の人材紹介会社は殆んどありませんが、代替人材の紹介がうまくできなかった場合に紹介手数料の半額を返すという人材紹介会社はあるようです。また、採用者が1ヵ月以内に退職した場合、人材紹介手数料を不要とする日系の人材紹介会社もあるようです。

このように保証制度は人材紹介会社により異なりますので、人材紹介会社に依頼をする前に各社の保証制度を理解することが大切です。人材紹介会社に支払う手数料についても各社により異なります。目安としては採用者の月給1ヵ月～3ヵ月程度が人材紹介手数料となると考えると良いでしょう。

外資系や香港ローカルの人材紹介会社も日系の人材紹介会社とほぼ同様であり、採用者が短期間で退職した場合に備えた保証制度が用意されています。保証制度は人材紹介会社により様々ですが「代替人材の紹介」と「返金」に大きく分かれます。詳しくは上記の「早期退職時の日系人材紹介会社の対応」をご覧ください。

香港の大手求人サイト「JobsDB」を始めとする求人サイトの多くは、サービス利用料を1投稿あたりの課金制としているため、採用者が短期間で退職した場合の保証は受けることができません。再び求人募集をおこないたい場合は、サービス利用料を支払い再募集することになります。1投稿あたりのサービス利用料は1,000香港ドル以下となります。

香港政府の労働局は、香港ID保有者に向けて「iES（Interactive Employment Service）」という日本のハローワークにあたる人材紹介サービスを提供しています。採用企業は香港IDやBusiness Registration（商業登記証）を持っていなくても求人募集を無料でおこなうことができます。サービス利用料はかからないため、採用者が短期間に退職した場合の保証はありません。再び求人募集をおこないたい場合は、再び求人広告を投稿して人材募集をおこなうことになります。日本語のサポート窓口はありませんが英語や中国語を話せる方であれば気軽に利用できます。

採用者の早期退職を完全に防ぐことは難しいですが、香港の法令や労働環境をしっかり理解することで早期退職の可能性を抑えることはできます。例えば、面接時に伝えていない業務内容の労働を指示してしまうと早期退職となる可能性を高めることになりますので、面接時に業務内容や職場環境などをしっかり伝えることが重要です。なお、香港人は決めた職種でキャリアアップを目指すため、複数の業務を担当するような人材を必要とする場合は日本人の方が適しているかもしれません。

香港では雇用契約の開始から3ヶ月程度がプロベーション期間（試用期間）となります。プロベーション期間は雇用契約書に明記する必要があります。

採用企業および採用者はプロベーション期間中に仕事が適していないと判断すれば契約を解除することができます。プロベーション期間の1ヶ月目は予告通知無しで契約を即日解除することができます。1ヶ月が経過している場合は7日以上前に通知をおこなえば契約を解除することができます。

通知期間中に関係なく即時に雇用契約を解除したい場合は、通知残存期間の給与額を従業員へ支払う事により雇用契約を解除することができます。反対に、従業員が即時に雇用契約を解除したい場合は、従業員が通知残存期間の給与額を雇用主に支払う必要があります。

なお、雇用主は在籍期間中の賃金を雇用契約の解除日から7日以内に支払う必要があります。

当社には人材紹介や人事労務管理のプロフェッショナルが在籍していますので、ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。人材紹介では人材紹介から採用後のアフターフォローまでトータルでサポートしております。