香港故宮文化博物館で初のイスラム美術展

2025年6月18日(水)から10月6日(月)まで、香港初となる大規模なイスラム美術展「帝国絨毯の不思議:ドーハ・イスラム美術館の名品展」が、香港故宮文化博物館で開催されます。本展は、サファヴィー朝イラン(1501~1736年)、オスマン帝国トルコ(1299~1923年)、ムガル帝国インド(1526~1857年)の三大イスラム王朝の美術品90点を展示するものです。
特に注目されるのは、シルクやパシュミナウール、金銀の糸などの最高級素材が用いられ、世界各地から集められた希少な染料で彩られた絨毯(じゅうたん)15点で、約450年前にサファヴィー朝の王シャー・スレイマンからヴェネツィア共和国の元首に外交上の目的で贈られた絨毯や、ムガル帝国時代のハイデラーバード宮殿のために織られた全長16メートルの絨毯などがあります。
絨毯以外にも、王家のために制作されたコーラン(イスラム教の聖典)「シャー・スレイマン・コーラン」、ペルシア文学の傑作『シャー・ナーメ(王書)』の貴重な写本、贈り物を収めるためのオスマン帝国の木製装飾箱など、多彩な美術品が展示されます。
また、唐代以降の中国とイスラム世界との文化交流にも焦点が当てられており、イスラム美術と並べて中国の芸術作品も展示されます。さらに、ドーハ・イスラム美術館で人気の「ダマスカス・ルーム(オスマン帝国時代の上流階級の家の一室を再現したもの)」がデジタルで再現され、オスマン時代の贅沢なもてなしの空間を没入型体験として楽しめる演出がなされています。他にも、AR技術を使ってスマートフォン上で「魔法の絨毯」に乗るような自画像を作成できる体験もでき、子どもから大人まで楽しめる美術展となっています。
入場チケットは、大人150香港ドル、子供(7~11歳)、学生やシニア(60歳以上)などは75香港ドル、6歳以下は無料です。
Wonders of Imperial Carpets: Masterpieces from the Museum of Islamic Art, Doha
(帝国絨毯の不思議:ドーハ・イスラム美術館の名品展)
香港故宮文化博物館ホームページ
https://www.hkpm.org.hk/en/home