香港法人の設立後に会社運営で必要となること

香港法人設立後の手続きは正しく処理をしなければ罰金などが課せられる可能性もあります 香港法人を設立した後に会社運営で必要となる「取締役会、株主総会、会社決算、事業所得税の申告、雇用主支払報酬申告書、年次報告書、商業登記証」について詳しく解説していきます。正しく処理をしなければ罰金などが課せられる可能性もありますので注意が必要です。

香港法人の設立後に必要となる基本項目

取締役会

取締役会は最低でも1年に1度、株主総会の開催日と決議事項を決定するために開催しなければなりません。開催日の30日前までにすべての取締役に招集通知を送るというルールがあり、招集通知は会社秘書役や社内の担当者が書面やメールなどでおこなうのが通常です。会社運営における重要な変更がある場合は、取締役会を随時開催することも可能です。取締役会の議事録は香港の会社法に従い、会社秘書役が作成・管理・保管をおこないます。

株主総会

株主総会には年次株主総会(Annual General Meeting。通称AGM)と臨時株主総会(Extraordinary General Meeting。通称EGM)があります。年次株主総会では決算書の承認、配当の決定、取締役と監査人の選任などをおこないます。定款に特段の定めがない限り、定足数は2名(株主が1名の場合は1名)で決議をおこなうことができます。また、株主総会の決議には普通決議(Ordinary Resolution)と特別決議(Special Resolution)があり、普通決議は議決権数の過半数、特別決議は議決権数の75%以上の多数決によって決議されます。普通決議では取締役の選任と解任、役員報酬、増資を決議し、特別決議では定款の定めに沿って、商号変更、定款変更、減資、清算などを決議します。

第1回目の株主総会は会社設立日から18ヶ月以内に開催し、第2回目以降は会計年度末日から9ヶ月以内に開催するのが通常ですが、以下の条件を満たしていれば株主総会の開催を免除することもできます。

  • 法的に有効な休眠会社である場合
  • すべて株主が開催免除を議決している場合(会社定款に従う)
  • 一人株主の場合(開催は必須ではない)

通常、年次株主総会は一年に一度開催され基本的な決議がおこなわれますが、それ以外のタイミングで会社経営において重大な影響を及ぼす事項が発生した場合は、限定的な議題を決議するために臨時株主総会を開催します。

なお、年次株主総会の開催日時は少なくとも21日前までに文章で通知、臨時株主総会は少なくとも14日前までに文章で通知する必要があります。

会社決算

香港法人は会社設立日から18ヶ月以内に第1回目の年次株主総会を開催する必要があるため、それまでに第1回目の会社決算を完了させておく必要があります。多くの会社は余裕をもって会社設立日から15ヶ月以内に初回決算日を設定し、18ヶ月以内に決算が終わるよう手配します。決算日は任意で設定することができ、次年度以降は同じ決算日で決算をしていくのが通常です。正当な理由があれば決算日を変更することができます。

香港に支店を登記している非香港法人は、本店の決算日に合わせて決算をおこない、原則的に税務申告を毎年する必要があります。

事業所得税(法人税)の申告

会社決算が完了した後は事業所得税(法人税)の申告をおこなう必要があります。事業所得税の申告は基本的に取締役がおこないますが、手続きに不慣れな場合は公認会計士や会社秘書役が申告をサポートすることがあります。事業所得税の申告時に税務局に提出する書類は「会計監査済みの財務諸表、事業所得税申告書、課税所得計算書」となります。

雇用主支払報酬申告書(Employer’s Return)の提出

雇用主支払報酬申告書(Employer’s Return)は毎年4月の第一営業日に税務局から登記住所宛てに届く書類です。雇用主支払報酬申告書とは、会社の従業員やアルバイトなどの個人に支払った報酬を申告する書類のことであり、書類到着から1ヶ月以内に書類に記入をして税務局に申告することが義務となっています。雇用主支払報酬申告書が届かない場合は、ペナルティなどのトラブル防止のためにも税務局に必ず確認してください。

なお、申告対象者となる従業員が香港を離れる場合(日本人駐在員など)は、退職日の1ヶ月前までに雇用主支払報酬申告書を税務局に提出する必要があります。

年次報告書(Annual Return)の提出

年次報告書(Annual Return)とは、会社の基本情報である「株主、役員、資本金など」を会社登記局(Companies Registry)に報告するための書類になります。基本的に年次報告書は会社秘書役が作成し、取締役もしくは会社秘書役が署名をして提出します。

年次報告書は会社設立記念日の翌年から毎年提出する書類です。42日以内に提出しなければ罰金が課されるため注意が必要です。

商業登記証(Business Registration)費用の支払い

商業登記証(BR / Business Registration Certificate)とは、香港法人に限らず、海外法人の支店、駐在事務所、個人事業主などが香港で事業活動をおこなう際に必要となる証明書のことです。会社設立記念日の1ヶ月程前になると納付書が付いた商業登記証が登記住所宛に毎年届きますので、期日までに支払いを完了させる必要があります。会社の登記住所が会社秘書役の住所の場合は、会社秘書役の住所に商業登記証が届きます。

新たに届いた商業登記証は、店舗や事務所内の見えるところに掲示してください。商業登記証を正しく掲示していなければ罰金となりますので注意が必要です。

当社では上記に説明した全てをフルサポートすることが可能です。香港での会社設立や会社運営に関することならお任せください。
電話相談(日本人が対応)
(+852)2529-8288
受付:9:00〜18:00/月〜金(祝日は除く)
メールでのお問合せ 香港での会社設立(法人設立)ページ