大学入試で日中歴史が出題。香港で大騒ぎ

更新日:2020年05月15日
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日中歴史問題

昨日、香港の大学入試「DSE」(日本で言うセンター試験)がおこなわれ、歴史テストで「1900年~45年、日本は中国に不利益を与える以上に利益をもたらした。同意しますか?(原文:1900-45年間,日本為中國帶來的利多於弊 你是否同意此說?)」という問題が出題され、「質問内容が誘導的」などの理由で教育局がテスト作成をした試験機関「HKEAA」に厳重注意をおこないました。

テスト問題では、日本の法学者の梅謙次郎の書物や、革命家の黄興が政治家の井上馨に宛てた手紙などが引用され「清王朝が近代化のために若者を日本に送り法律や教育を学ばせた意図について」、「1912年に孫文を臨時大総統とする中華民国を日本の銀行が財政的に援助したこと」などの資料が提示されたうえで「1900年~45年、日本は中国に不利益を与える以上に利益をもたらした。同意しますか?」と設問。受験生は同意するかしないかを答えたうえで、理由を説明するよう求められました。

教育団体の教育評議会は「テスト問題では、日本からの援助について述べられているが、日本の中国侵略について述べられていない」と指摘し、テストを作成したHKEAAの政治的立場が出ているのではと疑っています。

香港政府の教育局は「質問内容は誘導的で、偏った結論に導く可能性があり、日本の中国侵略で苦しんだ中国人の感情と尊厳をひどく傷つける」と声明を出し、試験機関「HKEAA」に厳重注意をおこない、テスト問題作成の仕組みの見直しを求めました。

また、香港にある中国政府の特派員公署のオフィシャルFBサイトでは、キャリーラム行政長官の過去の発言を引用し「教育は野放しであってはいけない(教育不可以成為「無掩雞籠」)」と取り上げ、また国務院香港マカオ事務弁公室の昨年9月の発言「香港の国民教育、特に国家意識を養うための効果的な策を講じて解決する必要がある」と引用し伝えています。

一方、教育を専門とする議員である葉建源(イップ・キン・ユエン)は、「生徒は、このような自由回答式の質問にとても馴染みがあり、同意しなくてもよいことは分かっている。テスト問題に資料を出し、生徒の分析力をテストするのは当たり前である」と話しています。