デモの許可プロセスが厳しくなった香港

更新日:2019年07月18日
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逃亡犯条例デモ

警察の許可を得てデモが行われている香港ですが、親中派議員が警察に対して「デモ参加者の暴力を考慮し、許可すべきではない」と提案し、許可プロセスが厳しくなっていることがわかりました。その他、デモ発生のきっかけと言われている台湾で起こった殺人事件の被害者の父親が「今回限りの逃亡犯引渡しを提案」したことに注目が集まっています。それぞれの詳細を以下にご案内します。

■7月21日の民間人權陣線主催デモ計画に警察が延期を要求

6月に200万人が参加した大規模デモの主催者「民間人權陣線」が21日(日)に計画していたデモを、安全上の理由で8月まで延期するよう香港警察から要求がありました。民間人權陣線は、20日(土)か21日(日)にデモを実施できるよう交渉を進めています。一昨日、原居民(イギリス植民地となる以前より香港に居住していた住民の男系子孫)による議会組織「郷議局」の局長が「香港の発展において安定と安全は基本的な要素だ」と話しデモに不安を示したことも分かっています。

■7月27日の九龍角落主催デモ計画に警察が異例の要求

27日に紅磡(ホンハム)で計画しているデモの主催者「九龍角落(Synergy Kowloon)」が、香港警察から3ページの書類(デモの方法に関する20の質問を含む)を受領しました。九龍角落は「市民の意見が禁じられるようなことが起これば、市民からの反発はより強まる。」と心配しています。

香港メディアThe Standardは「抗議集会は主催者と警察の面談でおこなわれ、書面で回答が要求されるのは珍しい。」と伝え、民間人權陣線も「過去数年間、書面での回答が要求されたことはない。」とコメントしました。

■台湾での殺人事件の被害者父親が今回限りの逃亡犯引渡を提案

逃亡犯条例の改正案は、2018年2月に香港人男子学生(19歳)が交際相手の香港人女子学生(20歳)を台湾旅行中に殺害し香港へ逃亡した事件がきっかけと言われています。被害者の父親は、正当な裁きをおこなうため、キャリー・ラム行政長官に対して「例外として逃亡犯を台湾に引き渡しできないか?」と4つの提案をおこないました。

1.今回の事件に限り、香港の裁判所に対して逃亡犯引渡を審理する権利を与える
2.香港政府の行政命令により、逃亡犯を台湾に引き渡す
3.香港の裁判所に対して、管轄外の案件を裁く権利を与える
4.逃亡犯が台湾で自首するように説得する

被害者家族をサポートしている親中派政党「民主建港協進聯盟」は、4つ目の案がベストであると話しています。

台湾で女子学生を殺害して逃亡した男性は、台湾で殺人容疑がかけられていますが、香港ではマネーロンダリング(死亡した交際相手の銀行カードなどを所持)の罪で禁錮刑29か月が言い渡され服役中です。しかし、予定よりも早く今年10月には出所できる可能性もあるようです。