香港で100万人を超えるデモ、香港メディアの報道

更新日:2019年06月10日
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逃犯条例改正案反対デモ

昨日、香港から中国本土に刑事事件の容疑者を引き渡せるようにする「逃犯条例(犯罪人引渡条例)」改正案に反対する大規模なデモ行進が香港でおこなわれ、主催者発表によると2014年の民主化デモ「雨傘革命」以降最多となる103万人(警察発表は24万人)が参加しました。すでに世界中で報道がおこなわれていますが、現時点で最新の香港メディアの報道内容を以下にお伝えします。

昨日のデモ行進は予定よりも40分早い午後2時20分頃から開始。デモ行進に備え香港警察は事前にスタート地点のビクトリア公園から金鐘(アドミラルティ)にある立法会へと続く湾仔(ワンチャイ)の大通り軒尼詩道(ヘネシーロード)と駱克道(ロックハートロード)の3車線を歩行者天国に指定していましたが、想定以上の参加者数となり6車線すべてが歩行者天国として開かれました。また、立法会での座り込みは今朝まで続き、深夜には参加者と警察官が衝突する場面もあり、参加者が鉄柵を投げつけ、警察官は警棒やペッパースプレー(催涙スプレー)を用いて対応、参加者と警察官数名が負傷しました。香港メディアでは、顔から流血し手当を受ける警察官の写真などが公開されています。

デモ行進では逃犯条例改正に反対する声のほか、キャリー・ラム行政長官の辞任を求める声が上げられました。様々なコスチュームを身に着けるデモ参加者がおり、「雨傘革命」と同様に黄色い傘を掲げる人、香港の伝統的なライオンダンス(獅子舞)の衣装をまとう人、毒蛾の恰好でキャリー・ラム行政長官を表現していると話す人、全身にポスターをまとう人などが見られました。若者や家族連れが多かったとの情報もあります。

また、香港以外に世界12ヶ国29都市でも「逃犯条例」改正案に反対する運動がおこなわれており、アメリカ7都市、カナダ4都市、イギリス1都市、オーストラリア5都市、ドイツ3都市、日本1都市、台湾3都市、オランダ1都市、フランス1都市、デンマーク1都市、ベルギー1都市、チェコ1都市で、現地時間6月8日~9日にデモが実施されました。主催者であるフェイスブックグループ「全球集氣反送中」によるとオーストラリアでは5,000人以上がデモに参加し、香港からの学生や移民が中心となって抗議活動がおこなわれました。日本では東京都千代田区の香港経済貿易代表部オフィス前で約400人が抗議活動に参加したとのことです。

一方、香港では昨日正午までに、「逃犯条例」改正案に「賛成」するオンライン署名運動で70万人以上が実名を署名したとの報道もあります。賛成者は「香港は逃亡者の天国であってはならない」、「法律の抜け穴を塞ぐべきだ」、「改正案は市民の99.99%には影響ない」、「政治的迫害があれば香港裁判所もレビューをおこなうだろう」などの声を上げています。

現在の逃犯条例では、中国(本土、マカオ、台湾)の犯罪者が香港に逃亡すると、香港は犯罪者を中国に引き渡すことができません。しかし、逃犯条例が改正されると中国への犯罪者の引き渡しが可能となることから、香港で民主化運動を計画すると犯罪者となり中国に引き渡されるのではないかと香港市民の間で不安が強まっています。香港政府は今月中にも立法会で改正案を成立させる方針であり、反発する市民が抗議活動を進めています。