犯罪人引渡条例の改正提案で香港市民は大きな不安

更新日:2019年02月18日
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逃犯条例

香港の法律では、中国本土やマカオや台湾で犯罪を犯した犯人が香港に逃亡しても、犯人を犯罪発生地域に引き渡すことができません。しかし香港政府は中国本土やマカオや台湾での犯罪者に対して裁判ができるようにと「逃犯条例(犯罪人引渡条例)」の改正を提案し、香港内では「一国二制度」が脅かされるとの視点もあり大きな話題となっています。(日本が犯罪人引渡し条約を結んでいる国は韓国とアメリカのみ)

今回の改正提案は2018年2月に19歳の香港人男子学生が交際相手で妊娠中の20歳香港人女子学生を台湾旅行中に殺害し香港へ逃亡した容疑がきっかけと言われています。女子学生の遺体は3月に台湾で発見され、容疑者の男子学生は香港内で逮捕されましたが香港では「死亡した交際相手の銀行カード、スマートフォン、カメラや現金などの持ち物を所持していた」ことで起訴されているだけとなっています。台湾では殺人の容疑がかけられているが、香港と台湾には犯罪人引渡しに関する正式な条約がないため、台湾で裁判を受ける必要がない状態です。

被害者の母親は、親中派政党や親中派議員の協力のもと条例改正の必要性を訴えていると各香港メディアで報道されていますが、条例改正の実現により中国政府が香港内の政治犯の引き渡しに利用する可能性を民主派の議員などが指摘しています。条例の改正では「逃犯条例(犯罪人引渡条例)」の中の「香港以外の中国その他の地方には適応しない」という項目の削除が検討されており、台湾だけでなく中国本土との関係性にも影響が出ると懸念されています。

民主党議員の涂謹申(ジェームス・トゥ)氏は「本件で台湾のみを対象とし協議を交わすことはできない。なぜならば、中国政府は台湾政府を認めてないからだ。香港は台湾政府と『国と国との関係』として条約を結ぶなどという可能性は全く存在していない。」と懸念を示しています。