世界的レストラン「ヨンキー」のお家騒動激化!

更新日:2015年10月08日
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鏞記

世界15大レストランにも選ばれた香港老舗レストラン「Yung Kee(ヨンキー)」で財産を巡る争いが起こっていますが、ヨンキーの持株会社がBVI法人であるために事態が泥沼化しています。

ヨンキーは1942年に甘穗煇が創設。1978年には持株会社であるBVI法人の株式を妻と子供4人に振り分けて経営を委ねました。月日が経ち、甘穗煇の妻は譲受けた10%の株を長男に渡し、長男は45%の株式を取得。次男はというと、2人の兄弟が持つ20%の株を譲受け55%の株式を取得し、実質的な経営者は次男となりました。

次男が経営者となってからは長男を経営から排除する動きをみせていきます。不満を感じた長男は、株式比率に応じた財産分与や保有株を買取るようにと次男へ歩み寄りましたが拒否されたため、裁判により45%の持ち株を15億香港ドル(約232億円)で買取るよう訴えたのですが、高等裁判所は、法人格がBVI法人であるため、香港司法では処理ができないと2012年に判決を下しました。

その後、長男は2012年に他界しましたが、現在は長男の家族が中心となり弁護士と共に、「法人格はBVIだが、経営、資産、株主、役員すべては香港であり、香港で処理されるべき事案だ」と訴え続けています。

香港ではBVIに限らず、バミューダやケイマンなどの法人が持株会社となるケースは上場企業も含め数多く存在しています。この裁判が今後どのような判断を下すのか、多くの企業が注目しているでしょう。